社会地理 中国・四国地方

 中国・四国地方
 [要点-中国・四国地方]
【中国山地】中国地方の中央部を東西に走る山地。
【四国山地】四国地方を東西に走る山地。
【高知平野】高知県の土佐湾岸に広がる平野。
【讃岐平野】香川県の瀬戸内海に面している平野。
【瀬戸内海】本州の中国地方と四国地方にはさまれた、大小の多くの島がある海。

 
 
X  日本海側の気候。冬は北西の季節風の影響で雪が多い。
雨温図はア。
Y  瀬戸内の気候。年間を通じて雨が少ない → 干ばつの被害、昔からため池。
雨温図はイ。
Z  太平洋側の気候。夏は南東の季節風の影響で雨が多い。黒潮の影響で年中温暖。
雨温図はウ。

 

A  高知平野:野菜の促成栽培(きゅうり、なす、ピーマン)。
B  愛媛県:みかんの栽培、岡山はぶどうの栽培。
C  鳥取砂丘:砂丘開発 → らっきょう、長いも、メロン。世界の乾燥帯の緑化・農業開発

①瀬戸内海の漁業:
瀬戸内海は波が静か → 養殖漁業:広島県の牡蠣(カキ)、愛媛県の真鯛(マダイ)。

②瀬戸内工業地域:
海上交通の便が良く工場用地(埋め立て地、塩田跡地)にも恵まれている。

③産業:
水島などの石油化学コンビナート、福山や倉敷の鉄鋼業。

 

(a)広島市(太田川下流の三角州):毛利氏の城下町、原爆ドーム・平和記念都市、地方中枢都市

本州四国連絡橋:瀬戸大橋
(b)しまなみ海道
(c)明石海峡大橋(橋の開通により所要時間が大幅に短縮された)
(e)大鳴門橋
(d)ストロー現象(買い物客などが高松→大阪・神戸)
(f)中国自動車道
(g)浜田自動車道

特徴:
中国山地など:過疎化、限界集落(人口の半数以上を65歳以上の人が占める)
→ 地域の収入が減り医療や教育などといった公的サービスの提供が難しくなる。
→ 町おこし・村おこし
 地形
【中国山地】
中国地方の中央部を東西に走る山地。
なだらかな山が多い。山陰と山陽の境。

 

  A 中国山地
B 鳥取砂丘
C 宍道湖
D 岡山平野
E 讃岐平野
F 吉野川
G 瀬戸内海
H 四国山地
I 高知平野
J 黒潮(日本海流)

 3地域の気候
①山陰地方(日本海側):
(1)冬の気候:
日本海からの季節風の影響で、冬は降雪が多いです。
特に、鳥取県や島根県の日本海側は雪が多く、冬の気温は低めです。
(2)夏の気候:
夏は比較的涼しいですが、湿度が高いです。
(3)降水量:
一年を通じて降水量が多く、特に冬の降水量が多いのが特徴です。

②山陽地方(瀬戸内海側):
(1)冬の気候:
冬は比較的温暖で、降雪は少ないです。広島県や岡山県が代表的な地域です。
(2)夏の気候:
夏は高温多湿で、蒸し暑い日が続きます。
(3)降水量:
瀬戸内海式気候の影響で、一年を通じて降水量が少なめです。
特に梅雨と台風の季節を除いて降水量は少ないです。

③四国地方の気候:
太平洋側(南部):
(1)冬の気候:
冬は温暖で、降雪はほとんどありません。高知県が代表的な地域です。
(2)夏の気候:
夏は高温多湿で、蒸し暑い日が続きます。
(3)降水量:
一年を通じて降水量が多く、特に梅雨と台風の季節には降水量が増加します。

瀬戸内海側(北部):
(1)冬の気候:
冬は比較的温暖で、降雪は少ないです。香川県や愛媛県の北部が該当します。
(2)夏の気候:
夏は高温多湿で、蒸し暑い日が続きます。
(3)降水量:
瀬戸内海式気候の影響で、一年を通じて降水量が少なめです。
特に梅雨と台風の季節を除いて降水量は少ないです。

④地域の気候の違い:
 

(1)夏:
太平洋で湿気を帯びた南東の季節風が四国山地にぶつかって
上昇気流となって雲を発生させ、太平洋側に雨をもたらす。
しかし、四国山地を超えて瀬戸内を通るときは乾いた風となっているため、
瀬戸内や山陰では雨が降りにくい。

(2)冬:
北西の季節風が中国山地にぶつかって上昇気流となって雲を発生させ、
日本海側に多くの雨や雪をもたらすが、瀬戸内を通るときは乾いた風となっているため、
雨・雪が降りにくい。

 

(3)このことから、瀬戸内は年中雨が少ない。
瀬戸内地方は、年間を通じて降水量が少ないため多くの工夫が行われてきた。
たとえば、農業用水が不足しがちな讃岐平野では、ため池をつくって水を確保してきた。

(4)また、坂出や鳴門などの沿岸には、雨の少ない気候と潮の干満を生かして塩田が作られた。
 雨温図
①例題:
[問題] Bに位置する都市の雨温図をⅠ~Ⅲから選べ。

 
 

[解答]Ⅰ
[解説]
 

(1)中国山地の北側のAは山陰、
中国山地と四国山地にはさまれたBは瀬戸内、
四国山地の南側のCは南四国である。

(2)Aの山陰は、冬にふく北西の季節風の影響で、冬の降水量(雪)が多い。
したがって、雨温図は凹型になっているⅢのようになる。

(3)Bの瀬戸内は、1年中雨が少なく、雨温図はⅠのようになる。

(4)Cの南四国は夏にふく南東の季節風の影響で、夏の降水量が多い。
また、年間の降水量も多い。
よって、雨温図はⅡのようになる。
 農業
【二期作】同じ場所で同じ作物を1年に2回栽培し、収穫すること。
【促成栽培】露地での栽培(露地栽培)よりも成長・収穫・出荷を早くする栽培法。
【露地栽培】ハウスなどの施設を使わず、屋外の畑で栽培する方法。
【施設園芸農業】ガラス室やビニールハウスを利用して野菜などの園芸作物(野菜類・花き・果樹)を栽培すること。
 

①山陰地方(日本海側):
(1)米作り:
鳥取県や島根県では、米作りが盛んです。
冬の積雪が多いため、雪解け水が豊富で、水稲栽培に適しています。
(2)果樹栽培:
鳥取県では梨が、島根県ではぶどうや柿が栽培されています。
(3)野菜栽培:
キャベツや白菜などの葉物野菜も栽培されています。

②山陽地方(瀬戸内海側):
(1)野菜栽培:
岡山県や広島県では、トマトやナス、ピーマンなどの野菜が多く栽培されています。
(2)果樹栽培:
岡山県は「果物王国」とも呼ばれ、特に桃やブドウ(マスカット)が有名です。
広島県ではレモンやみかんが栽培されています。
(3)米作り:
瀬戸内海沿岸では、温暖な気候を利用した米作りが行われています。

四国地方の農業
③太平洋側(南部):
(1)野菜栽培:
高知県では温暖な気候を利用して、ピーマンやナス、キュウリなどの野菜が一年中栽培されています。
特に冬場の野菜の供給地として重要です。
(2)果樹栽培:
高知県では柑橘類(みかん、ポンカン、ユズなど)が栽培されています。
(3)施設園芸:
高知県は温暖な気候を活かし、ビニールハウスなどを利用した施設園芸が盛んです。

④瀬戸内海側(北部):
(1)果樹栽培:
愛媛県は「みかん王国」として有名で、多種多様なみかんが栽培されています。
また、香川県や徳島県でも柑橘類が栽培されています。
(2)米作り:
愛媛県や香川県の平野部では米作りが行われています。
(3)オリーブ栽培:
香川県の小豆島では、日本国内でも珍しいオリーブの栽培が行われています。
 ため池
【ため池】水を貯えるために人工的につくられた池のこと。
 

①四国のため池の概要:
(1)定義:
ため池とは、農業用水を確保するために作られた人工の池です。
主に農業用の灌漑(かんがい)目的で使用されます。
(2)数と分布:
四国地方には数多くのため池があり、特に香川県はため池の数が多いことで知られています。
香川県は日本で最もため池の密度が高い地域です。

②ため池の歴史:
(1)古代からの利用:
四国地方では、古代からため池が利用されてきました。
水資源が限られている地域では、ため池が農業を支える重要なインフラとなってきました。
(2)江戸時代の整備:
江戸時代には、ため池の整備が盛んに行われ、多くのため池が築造されました。
この時期に多くのため池が作られ、現在も利用されているものが多いです。

③ため池の役割:
(1)農業用水の供給:
ため池は主に農業用水として利用され、特に水田の灌漑に重要な役割を果たしています。
(2)水資源の管理:
四国地方は降水量が不安定であり、ため池は雨水を貯めておくことで、
乾燥した時期や干ばつの際に水を供給する役割を持っています。
(3)防災機能:
ため池は洪水の際に水を一時的に貯めることで、洪水被害を軽減する効果もあります。
 みかん
①みかん栽培: 
 

(1)中四国地方は、みかん栽培に適した気候を持つ地域です。
特に瀬戸内海沿岸部では、暖かく降水量の少ない気候がみかんの栽培に適しています。

(2)愛媛県はミカン類の生産が多く、みかん畑が広がっています。
また、新しいみかんの品種改良も行われており、
「伊予かん」や「せとか」、「デコポン」などが生産されています。
 鳥取砂丘
①鳥取砂丘:
 

(1)日本最大級の砂丘で、鳥取県に位置しています。
この砂丘は海岸線に沿ってやや斜めに広がっており、
風によって供給された砂が積もってできています。

(2)砂丘は3列に分かれており、形成順に古くなっていきます。
鳥取砂丘では、水が少なく稲作には向かないため、すいかなどが栽培されています。
 漁業
【養殖漁業】卵から養殖池などで育てて成長したら獲る漁法。
 

①主な漁業:
(1)小型機船底びき網: 袋状の網をついた2本のロープを5トン程度の漁船でひき廻す方法。
(2)刺網: 魚の群れが移動する方向に網を仕掛けて、絡まった魚を獲る。
(3)船びき網漁業: 2隻の漁船で網をひき廻す方法。
(4)はえ縄: 長いロープ(幹縄)につけられた短いロープ(枝縄)の先端に餌をつけて漁獲。

②主な養殖業:
(1)かき(筏垂下式): 竹の筏からカキの幼生を付着させて育成する方法。
(2)のり: 浮き流し養殖で、深場に固定したのりを浮かせたロープ網にのりを張る方法。
(3)わかめ(はえ縄方式): 枝縄の代わりに種苗糸を幹縄に巻き付けて育成する方法。
(4)魚類養殖: 主にぶり類やまだいが養殖されており、愛媛県が多くの生産量を占めています。
 赤潮
①赤潮:
瀬戸内海における赤潮は、窒素、リンなどの栄養塩類、水温、塩分、日照、
競合するプランクトンなどの要因が複合的に絡んで発生します。

②昭和51年には299件の赤潮がピークとなり、その後は減少傾向ですが、
現在でも毎年100件前後の赤潮が確認されています。
令和3年には70件の発生が確認されました。

③赤潮は魚類などの養殖業に被害をもたらすため、注意が必要です。
 工業
①工業:
瀬戸内海沿岸は工業が発展しており、特に瀬戸内工業地域があります。
 

②岡山県の倉敷市は鉄鋼、自動車、石油化学工業のコンビナートが集まっています。

③広島市周辺部も自動車工業が盛んで、
山口県の岩国市や周南市には石油化学のコンビナートがあります。
 石油化学コンビナート
【コンビナート】原料や燃料、生産施設などの面で関連する工場が一か所に集まり、
互いに結びついて総合的・合理的に生産を行う工場の集団のこと。
 

①石油化学コンビナート:
(1)原油から取り出された成分を使って化学薬品などを製造する、分業化したひとつの工場です。
これらの工場は、原料や製品を輸送するパイプで結合されています。

(2)日本には、千葉県の東京湾沿いにある京葉工業地域と、
岡山県倉敷市にある瀬戸内工業地域が石油コンビナートが多くできています。
 本州四国連絡橋
【本州四国連絡橋】本州と四国を結ぶ橋。

 

①本州四国連絡橋:
本州と四国を橋や道路で結ぶルートです。
以下の3つのルートがあります。

(1)神戸・鳴門ルート(通称:明石海峡大橋・大鳴門橋):
全線開通:1998年(平成10年)4月5日
通過市町村:兵庫県神戸市垂水区、洲本市、南あわじ市、徳島県鳴門市

(2)児島・坂出ルート(通称:瀬戸大橋):
全線開通:1988年(昭和63年)4月10日
通過市町村:岡山県倉敷市、香川県坂出市

(3)尾道・今治ルート(通称:瀬戸内しまなみ海道):
全線開通:1999年(平成11年)5月1日(生口島、大島内の高速道路を除く)
通過市町村:広島県尾道市、愛媛県今治市
 ストロー現象

 

①橋や高速道路が開通すると、地元で買い物や観光をする人が減り、
大都市に人が吸い寄せられる
ストロー現象がおこり、
地元商店の客が奪われて地方経済が衰退してしまうという問題が生じた。

②例えば、1998年、明石海峡大橋が開通すると、
徳島県鳴門市と兵庫県神戸市は、1時間30分ほどで結ばれるようになった。
橋の開通前、四国の中心地は香川県の高松市であった。
しかし、橋が開通すると、四国から近畿地方の神戸や大阪まで買い物や観光で出かける人が増えた。

 本州四国連絡橋による影響
【ストロー現象】
交通網の発展により大都市に人々が吸い寄せられる現象を指します。
 

①本州四国連絡橋もこの現象の一例です。
この橋が完成したことで、四国を通り越して大阪や神戸まで出かける人々が増えました。
 広島市
【広島市】
広島市は太田川下流の三角州に発達した都市です。
 

①広島市:
日本の広島県に位置する都市で、国際平和文化都市として知られています。

②原爆ドーム:
広島市中心部にある原爆爆心地点近くに残る建物で、広島原爆の被害を象徴しています。
 過疎化
①過疎化についてのポイント:
(1)人口の分布と動態:
中国・四国地方の人口の分布や動態を調査します。
特に、過疎地域と過密地域の違いを理解することが重要です。

(2)都市・村落の立地と機能:
都市や村落の立地や機能に関する特色ある事象を中心に考えます。
これにより、過疎・過密問題の解決が地域の課題となっていることを理解できます。

(3)生活や産業との関連付け:
人々の生活や産業と都市・村落の立地や人口動態を関連付けて考えます。
過疎地域での生活上の問題や困難を調査し、理解させることが大切です。

(4)統計データの活用:
人口密度、人口の増減率、高齢者人口率、一人当たりの所得、
産業別就業率などの統計データを活用して、地域の特性を把握します。

 

 

②中国・四国地方で人口が集中しているのは、広島県、岡山県などの瀬戸内地方の県です。
人口が30万人をこえる都市の多くは、瀬戸内海の沿岸に集まっています。

②これに対して、中国山地や四国山地の山間部や離島では、
地域の人口が少なくなりすぎる過疎化が進んでいます。

③上の人口ピラミッドは、
広島市と過疎化がすすんだ四万十町を比較したものです。
四万十町のような過疎地域では、高齢者の割合が高く、若者の割合が低い。
市町村の過疎化が進むと、地域の収入は減り医療や教育などといった公的なサービスの
提供が難しくなります。