社会地理 日本の自然

 日本の自然
 [要点-世界の地形]
①造山帯:
山や山脈をつくる運動(造山運動)が活発な場所を指します。
地球の表面の地層が移動すると、地面が盛り上がって高くなることがあります。
このようにして山や山脈が形成されるのです。
造山運動が活発な場所では、高くて険しい山脈が連なり、地震や火山活動が見られます。

 

②2つの造山帯:
(1)環太平洋造山帯:
日本やアメリカの西側を通り、太平洋をぐるっと囲んでいます。
日本は環太平洋造山帯に含まれており、地震や火山活動が多いことで知られています。

(2)アルプス・ヒマラヤ造山帯:
ヨーロッパのアルプス山脈やアジアのヒマラヤ山脈が含まれています。
 日本の地形-造山帯と安定大陸
①環太平洋造山帯:
太平洋の周りに広がっている造山帯で、日本も含まれています。
この造山帯は高くて険しい山々が連なっており、地震や火山活動が多く見られます。
世界にはもう1つ有名な造山帯、アルプス・ヒマラヤ造山帯も存在します。

 

(1)世界の地形は高くてけわしい山々がつらなる造山帯と、
大陸に広がる平らな地形(安定大陸)に、大きく2つに分けることができます。
地球の表面は十数枚のプレートとよばれる岩盤におおわれており、
それぞれのプレートは動いています。

(2)造山帯付近ではプレート同士がぶつかるため、
地面の隆起や沈降といった大地の動きがさかんで、
一方のプレートが持ち上げられて、高い山脈が作られます。
また、しばしば地震がおこり、火山の活動も活発です。

(3)世界には、高くてけわしい2つの大きな造山帯があります。
環太平洋造山帯は、アンデス山脈-ロッキー山脈-千島列島-日本列島-
フィリピン-ニューギニア-ニュージーランド と太平洋を取りまいています。
 [要点-日本の山地・海・海流・海岸]
①日本の山地:
環太平洋造山帯の中にあり、国土の4分の3は山地。
フォッサマグナを境に、山脈は東側では南北、西側では東西に走っています。
日本アルプス: 山脈、木曽山脈、赤石山脈。
阿蘇山は世界一のカルデラで有名です。 

  

②日本をとりまく海:
太平洋、日本海、東シナ海、オホーツク海。
(1)暖流:黒潮(日本海流)、対馬海流 
(2)寒流:親潮(千島海流)、リマン海流。
(3)海溝(8000m以上の深さ)、大陸棚(水深200mぐらい)。
(4)砂浜海岸(鳥取平野や九十九里浜)、リアス海岸(三陸海岸や若狭湾)、岩石海岸。
 山地・山脈-日本アルプス・フォッサマグナ
①フォッサマグナ:
(1)日本列島を分ける重要な地形です。
こちらの地溝帯は、日本を東日本と西日本に分けています。
具体的には、中央構造線とも呼ばれ、地質的に特徴的な場所です。
 

(2)この地域は、両側を断層崖に区切られた細長いくぼ地が続いています。
フォッサマグナは大規模な地溝帯で、大きな割れ目という意味を持ちます。
日本アルプスの東側に広がり、地図の中央、中部地方のあたりに位置しています。
特徴的な点は、周りの地面よりも少し低く、溝のようになっていることです。
フォッサマグナの西端は、新潟県の糸魚川市と静岡県の静岡市を結んでいます。
 山脈・山地名

 
 変化に富んだ海岸
①リアス式海岸:
せまい湾が複雑に入り込んだ沈水海岸のことを指します。

  

②特徴:
(1)形成:
リアス式海岸は、谷が沈降してできた入り江です。
もともと海岸線に対して垂直方向に伸びていた開析谷が、河川による侵食で溺れ谷になり、
それが連続して鋸の歯のようにギザギザに連なっている地形を指します。
海岸線に対して平行な開析谷が沈水した場合は、ダルマチア式海岸と呼ばれます。

(2)地理的分布:
リアス式海岸は世界中に存在します。
例えば、ガリシア地方(スペイン)、英国南部、フランスのブルターニュ半島、
オーストラリアのシドニー周辺、アメリカのサンフランシスコ湾やチェサピーク湾、
日本の三陸海岸、房総半島、伊豆半島、若狭湾、瀬戸内海沿岸などが該当します。
 海・海流-日本の周囲の海
①海溝:
(1)海底で深い溝のようになっている場所を指します。
海の溝なので「海溝」と言います。

(2)海溝は海洋プレートが大陸プレートに沈み込むことでできるものです。
日本には太平洋側に縦に広がっている「日本海溝」が有名です。
この海溝は、海洋プレートが大陸プレートに引きずり込まれて窪みができる場所です。

 

②海嶺:
海底にみられる山脈のことを指します。
直訳すると「海の山の頂上」です。
海嶺は特殊で、ただの山脈ではありません。
地球の内部から高温の物質(マグマ)が出てくる火山のような場所になっています。
海嶺から出された高温な物質は、海で冷やされて岩盤へと変わり、
海洋プレートの一部となります。
つまり、海嶺は「海洋プレートを作り出す海底の山脈」なのです。

③まとめ:
(1)海溝は海洋プレートと大陸プレートの境目にあり、深い溝を作り出している役割を持ちます。
(2)海嶺は海底の山脈で、海洋プレートを作る役割を果たしています。
 海流
①暖流:
水温がまわりの海域よりも高い海流のこと。
②寒流:
水温がまわりの海域よりも低い海流のこと。
 

③対馬海流:
黒潮の一部が対馬海峡から日本海に入り、日本列島の沿岸を北に向かって流れます。
一部は間宮海峡を越えて、さらに北に向かい、シベリア大陸の沿岸を流れます。
ここで冷やされた海流が、リマン海流として日本海を南に向かって流れます。

④リマン海流:
対馬海流から南下してくる海流で、日本海を南に向かって流れます。
暖流は低緯度から高緯度に向かって流れ、周囲の海水よりも温かいため気温を高めます。
一方、寒流は高緯度から低緯度に向かって流れ、周囲の海水よりも冷たいため気温を低下させます。
 [要点-日本の川と平地]
①扇状地:
川が山地から平地に流れ出るところに、土砂を堆積してできた土地。
②三角州:
川の流れによって運ばれてきた土砂が、海や湖へ流れ出る河口に積もってできた土地。
③盆地:
まわりを山や高地に囲まれた、低くくぼんだ平地。

 

④日本の河川の特色:
短い、流域面積がせまい、流れが急。
信濃川(日本最長)、利根川(流域面積が日本最大)。

⑤扇状地:
山間部から平地にでるところに土砂が堆積してできた地形(例:甲府盆地)。

⑥三角州:
河口付近に土砂が堆積してできた地形。

⑦盆地:
山に囲まれた平らな土地。

⑧台地:
海や川に沿った低地より一段高いところに広がる平らな土地。
 河川-日本の河川の特徴
①流域面積:
川が雨や雪どけ水などの水を集める面積のことです。
具体的には、特定の川がその流域内で水を集める範囲を指します。
 

(1)利根川: 日本で最も流域面積が広い川です。
(2)石狩川: 2位の川で、北海道に流れています。
(3)信濃川: 3位の川で、中部地方を流れています。
 代表的な河川
①代表的な河川:
 

(1)長さが日本一の信濃川(越後平野を流れる)、
(2)流域面積が日本最大である利根川(関東平野を流れる)。
 平地・扇状地・三角州・台地-平野・盆地

①平地:
起伏の少ないほぼ平坦な標高の低い土地で、川の下流を中心に広がり海に面しています。
例:
北海道の石狩平野や十勝平野、東北地方の秋田平野や庄内平野、関東地方の関東平野。

②盆地:
周囲を山によって囲まれたほぼ平坦な土地で、山々に囲まれている特徴があります。
例:
北海道の上川盆地や東北地方の山形盆地、中部地方の長野盆地。

③台地:
深い谷や崖で区別される周囲より一段高くなったほぼ平坦な土地です。
例:
海道の根釧台地や関東地方の下総台地、静岡県の牧ノ原台地。
 扇状地・三角州
①扇状地:
川が山地から平地に流れ出るところに、土砂を堆積してできた土地です。

②三角州:
川の流れによって運ばれてきた土砂が、海や湖へ流れ出る河口に積もってできた土地です。

③盆地:
まわりを山や高地に囲まれた、低くくぼんだ平地です。
 

 

④特徴:
(1)川が山地から平野に流れ出るところでは、川の流速が落ちるので、
上流から運ばれてきた大きな砂利が川底に堆積して扇状地ができる。
大きな砂利からできているため、水はけがよい。
水はけがよく日当たりのよいゆるやかな斜面は果樹園に適している。

(2)扇状地は盆地に多く見られる。
山梨県の甲府盆地にある旧勝沼町(現在は甲州市)が試験によく使われる。
旧勝沼町の扇状地ではぶどうなどの果樹栽培がさかんである。

(3)川から海に出るところでは、
流れの速さが急にゆるやかになるので流水が運んできた細かい砂や泥が堆積して三角州ができる。
 日本の平野
①平野:
広く平らな土地です。
風や雨に浸食されてできた侵食平野や、
河川や海から運ばれてきたものが積もって出来た堆積平野があります。
また、堆積平野には、河川の堆積作用によって出来る沖積平野などがあります。

 

根釧台地:酪農がさかんな台地。
十勝平野:北海道で畑作の中心。
石狩平野:札幌がある平野で稲作。

津軽平野:りんごの栽培がさかん。
秋田平野:江戸時代からの米どころ。
仙台平野:東北一広い平野。
越後平野:信濃川流域の平野、穀倉地帯。

関東平野:日本でもっとも大きい平野。

濃尾平野:中部地方最大、下流に輪中。

筑紫平野:筑後川下流にできた九州最大の平野。九州の米どころ。
 [要点-日本の気候・自然災害]
 ①日本の気候:
(1)北海道の気候:北海道のほぼ全域に広がる気候。
(2)日本海側の気候:おもに本州の日本海側に分布する気候。
(3)内陸の気候:おもに中央高地に分布する気候。
(4)太平洋側の気候:おもに九州広域~四国の太平洋側~本州の太平洋側に分布する気候。
(5)瀬戸内の気候:中国・四国地方の瀬戸内海沿岸に分布する気候。

 

 

(6)南西諸島の気候:雨が多い。冬も温暖(平均気温が20℃をこえる)。
(7)日本海側の気候:冬に降水量(雪)が多い(降水量のグラフが凹型になる)。
(8)太平洋側の気候:夏に雨が多い(降水量が多い 1500~2000mm台)。
(9)瀬戸内の気候 :雨が少なく、冬も比較的温暖(降水量が1000mm程度→干害)。
(10)中央高地の気候:雨が少なく、夏と冬の気温差大(降水量が1000mm程度)。
(11)北海道の気候 :雨が少なく、冬の寒さが厳しい(平均気温が1ケタ台)。
 日本の気候-特徴(日本の大部分は温帯)
①北海道の気候:
冷帯(亜寒帯)に属します。
最も寒い月の月平均気温がマイナス3℃未満です。
冬には内陸部が特に寒くなります。
降雪量は日本海側が多く、太平洋側より少ないです。
梅雨がないため、全体的に降水量が少ない特徴があります。

②日本海側と太平洋側の気候の違い:
(1)日本海側(東北地方の日本海側、北陸地方、山陰地方):
冬に雪や雨が多く、降水量が多いです。
冬の豪雪イメージがあります。
(2)太平洋側:
冬に降水量が少なく、夏に降水量が多いです。
九州や四国、紀伊半島の南部は特に降水量が多いです。

③内陸(中央高地)と瀬戸内の気候:
(1)内陸(中央高地):
本州以南で降水量が少ない特徴があります。
冬と夏の両方の季節風がさえぎられるため、気温の年較差が大きいです。
(2)瀬戸内:
中国山地と四国山地にさえぎられているため、降水量が少ないです。

④南西諸島の気候:
沖縄県や鹿児島県の奄美地方の島々は亜熱帯です。
最も寒い月の月平均気温が18℃に近いため、亜熱帯と呼ばれます。
一年を通して雨が多く、年降水量が多い特徴があります。
 季節風
①季節風:
季節によって風向きが変わる風のことです。
具体的には、夏と冬で風向きが正反対になります。
日本では夏に南東の風、冬に北西の風が吹きます。

 

(1)夏の季節風:
南東の季節風が吹きます。
この時、太平洋から湿った空気が影響して、太平洋側を中心に降水量が多くなります。
(2)冬の季節風:
北西の季節風が吹きます。
この時、大陸からの季節風が日本海の湿った空気を運んできて、日本海側に降雪をもたらします。
 気候区分と雨温図
①雨温図:
ある地域の降水量と気温をあらわすグラフです。

[問1]
下の①、②の雨温図は、地図のA~Fのどの地域のものか。
それぞれ選べ。

  

[解答] ① F ② A 
[解説]
 

①日本の気候は、
温帯(日本海側・太平洋側・中央高地・瀬戸内)、
冷帯(北海道)、
亜熱帯(沖縄など南西諸島)の3つに大きく分けられる。
雨温図が与えられた問題で、この3つの気候のどれにあたるかを判断する目安は
気温である。

②ケッペンの気候区分によれば、
最寒月の気温が18℃以上なら熱帯、
-3℃~18℃なら温帯、
-3℃未満なら冷帯か寒帯である。

③しかし、亜熱帯は熱帯に近い温帯であるので、この区分法は使えない。
そこで、便宜上の区分法として、年間の平均気温に着目する。
すなわち、
平均気温が20℃台なら南西諸島の亜熱帯の気候、
10℃台なら温帯、
一けた台なら北海道の冷帯の気候という基準で、判断する。
 自然災害-地震・津波・火山
①地震:
地球の構造にはプレートと呼ばれる部分が関与しています。

②日本付近にある4つのプレート:
太平洋プレートとフィリピン海プレートは海洋プレート、
ユーラシアプレートと北アメリカプレートは大陸プレートです。

(1)海溝型地震は海洋プレートが大陸プレートを引きずり込むことで起こります。
特に津波の被害が大きい可能性が高いです(例:東北地方太平洋沖地震)。
(2)内陸型地震は活断層のずれによって起こります。
日本には2000以上の活断層があります(例:兵庫県南部地震、岩手・宮城内陸地震)。

③地震のゆれ:
初期微動は小さなゆれで、P波が引き起こします。
主要動は初期微動の後に起こる大きなゆれで、S波が引き起こします。
P波は縦波でS波は横波です。
地震計を使ってゆれを測定します。

④震度とマグニチュード:
震度はゆれの大きさを表す指標で、0から7までの10段階で示されます。
震源に近いほど大きく、遠いほど小さくなります。
マグニチュードは地震の規模を示す指標で、エネルギーの大きさを表します。
マグニチュードが1大きくなるとエネルギーは約32倍増加します。

⑤津波:
大規模な地震により海底が変動し、津波が発生します。
液状化現象では土地が液体状になり、建物の倒壊や火災が起こることもあります。

 
 台風・洪水
①台風:
赤道付近で発生し、東南アジアや東アジアに接近する移動性の熱带低気圧のことです。



②時期:
夏から秋にかけて台風が日本を襲い、大雨によって河川が氾濫する洪水が起きます。
また、台風のときなどに、強風などによって海水面が異常に高まり、
高波をともなって陸地におし上げる高潮などの被害が出たりします。
 冷害・干害・雪害
①冷害:
原因: 春から夏に気温が上がらず、農作物が育たなくなる被害です。
影響: 特に東北地方の太平洋側で多く発生します。
この地域には「やませ」という北東よりの冷たく湿った風が吹きます。
やませが原因となって冷害が引き起こされることもあります。
かつて宮城県のササニシキというお米が冷害の被害を受け、
生産量が激減したことがありました。
農作物に深刻な被害をもたらす場合があります。


②干害:
原因: 長期間雨が降らず、水が不足して農作物が枯れたりする被害です。
影響: 瀬戸内の気候など、雨が少ない地域で発生します。
ため池などの対策が行われています。


③雪害:
原因: 日本海側では冬に雪が多く降るため、大雪による被害です。
影響: 交通機関や電気が止まることもあり、雪崩が起きることもあります。
日本海沿岸では毎年のように雪害が発生しています。