社会3年 公民(国際社会)

 社会保障・公害
 [要点-社会保障と福祉]

【社会保障】すべての国民が健康で文化的な生活を送ることができるように、
国が国民の最低限度の生活を保障しようとするしくみ。

①わが国の社会保障の4本柱は、
・社会保険、
・社会福祉(母子家庭、高齢者、障害者の福祉)、
・公的扶助(生活保護)、
・公衆衛生(伝染病の予防や下水道の整備)。

②社会保障の中で最も重要なのが社会保険です。
・一定の年齢に達したときなどに現金給付を受ける年金保険、
・病気やけがの際に給付を受ける医療保険、
・2000年から実施されている介護保険などがあります。

③今の日本は、高齢者の割合が増えて生まれてくる子どもの数が減る少子高齢化が進行し、
年金などの社会保障の給付総額は増えるのに、現役世代の人口が減り、
税収と保険料収入は減少するという問題が起こっています。
増加する社会保障費をまかなうために、2014年に消費税の税率を8%に上げ、
さらに10%に引き上げられました。
 憲法25条の生存権

【公的扶助】社会保障制度の1つ。
経済的に生活が困難な人に対して、生活費などを支給するしくみ。

 

①生活が困難になったとき、
個人にかわって国が生活の保障を行う社会保障の制度が生まれました。

②日本の社会保障制度は、
「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」
「国は、すべての生活部面について、
社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上および増進に努めなければならない。」
という憲法25条の生存権の規定にもとづいて整備されました。
 社会保障の4本柱

【社会保険】あらかじめ保険料を払っておき、病気をしたり、高齢になったりして必要になったときに、
現金の給付やサービスの提供を受けるしくみ。
【社会福祉】高齢者や障害者、母子家庭など社会的に弱い立場にある人たちの生活を保障するため、
施設やサービスを提供するしくみ。
【公的扶助】社会保障制度の1つ。経済的に生活が困難な人に対して、生活費などを支給するしくみ。
【公衆衛生】国民の健康の保持・促進のため、病気の予防や生活環境の整備などを行うしくみ。

 

(1)日本の社会保障制度:
「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」という
憲法25条の規定にもとづいて整備されました。

①健康保険:
日本では国民皆保険制度が採用されており、
すべての人が何らかの公的医療保険に加入しています。
これにより、病気や怪我の際に医療費の一部を保険でカバーし、自己負担を軽減します。

②年金:
年金制度には、国民年金と厚生年金があります。
国民年金はすべての人が加入する基礎年金で、厚生年金は主に会社員が加入するもので、
将来の老後資金を支えます。

③介護保険:
高齢者や障害者が安心して生活できるように、介護サービスを提供する制度です。
40歳以上の人が保険料を負担し、必要な時に介護サービスを受けることができます。

④生活保護:
経済的に困窮している人々や家庭に対し、
最低限の生活が営めるよう生活費や住居費の補助を行う制度です。

⑤労働保険:
労働者が仕事中の怪我や病気、失業した場合に給付を行う保険で、
労災保険と雇用保険に分かれています。
 社会保険

【介護保険制度】40歳以上の全国民が加入し、介護が必要となったときに介護サービスが受けられるしくみ。
【社会保険】病気や事故・失業や老後の生活にそなえて、
加入者が日ごろから少しずつ掛け金を積み立てておき、必要なときに給付を受けるしくみ
。
社会保険には、医療保険・年金保険・介護保険・雇用保険・労災保険の5種類があります。

(1)医療保険:
①概略:
医療保険は、病気や怪我の際に医療費を軽減するための保険制度です。
日本では「国民皆保険制度」を採用しており、すべての国民が何らかの公的医療保険に加入しています。
②種類:
国民健康保険:
主に自営業者や学生、退職者が加入します。
健康保険:
会社員や公務員が所属する健康保険組合に加入します。
③自己負担:
通常、医療費の30%が自己負担になりますが、年齢や所得によって負担割合は異なる場合があります。

(2)年金保険:
①概略:
年金制度は、老後や障害、遺族の生活を支えるための保険です。
②種類:
国民年金:
20歳以上60歳未満のすべての国民が加入する基本的な年金です。
厚生年金:
会社員や公務員が加入する年金で、国民年金に上乗せされます。
③給付:
老齢年金:
一定の年齢に達した後に受け取る年金。
障害年金:
障害が生じた場合に支給される年金。
遺族年金:
家族の収入を支えていた人が亡くなった場合に支給されます。

(3)介護保険:
①概略:
介護保険は、高齢者や障害をもつ人が介護を必要とする際に利用できる制度です。
②加入:
40歳以上の人が対象で、保険料を負担します。
③利用できるサービス:
訪問介護: ケアスタッフが自宅を訪れて介護を行います。
施設介護: 特別養護老人ホームなどの施設での介護を受けます。
通所介護: デイサービスセンターで日中の介護を受けるものです。
 少子高齢化と社会保障

【社会保障】すべての国民が健康で文化的な生活を送ることができるように、
国が国民の最低限度の生活を保障しようとするしくみ。

 

(1)少子高齢化:
①少子化:
少子化とは、子ども(出生率)が減少する現象を指します。
主な原因には、結婚年齢の上昇や晩婚化、育児と仕事の両立が難しい環境が挙げられます。

②高齢化:
高齢化とは、全人口に占める高齢者(65歳以上)の割合が増えることを指します。
医学の進歩や生活水準の向上によって平均寿命が延びたことがその要因です。

(2)少子高齢化の社会への影響:
①労働力人口の減少:
若い世代が少なくなることで、働く人の数が減ります。
これにより経済の活力が低下する可能性があります。

②社会保障制度の負担増加:
高齢者が増えることで、年金や医療、介護などの社会保障費が増加します。
一方で、その費用を負担する若い世代が減るため、制度維持が困難になると懸念されています。

(2)社会保障制度への影響:
①年金制度:
支給する高齢者が増え、保険料を負担する現役世代が減ると、
年金制度の持続可能性が課題となります。

②医療・介護保険:
高齢者が増えることで、医療や介護のサービス需要が高まり、それに伴う費用も増えます。

(3)取り組み:
少子高齢化を乗り越え、社会保障制度を持続可能にするために、
以下のような取り組みが行われています。

①育児支援の強化:
保育所の整備や育児休業制度の充実など、子育てしやすい環境づくりが進められています。

②高齢者の活躍促進:
高齢者が働き続けられるような雇用環境の整備や、地域での活動を支援する施策が進められています。

③医療・介護サービスの効率化:
テクノロジーを活用した効率的な医療・介護サービスの提供が模索されています。

④外国人労働者の受け入れ拡大:
労働力不足を補うために、外国人労働者を積極的に受け入れています。
 [要点-公害の防止と環境保全]

四大公害は、
①熊本県水俣湾の水俣病、
②三重県四日市の四日市ぜんそく、
③富山県神通川流域のイタイイタイ病、
④新潟県阿賀野川流域の新潟水俣病の4つ。

⑤公害を防止し、環境汚染をくいとめるために、1967年に公害対策基本法が作られ、
1971年には環境庁(現在は環境省)が新設された。

⑥また、1993年、環境基本法が作られた。

⑦自然から採取する資源を極力少なくするとともに、資源を有効に活用し、
廃棄物を最小限におさえる社会を循環型社会といいます。
その実現を目指して、循環型社会形成推進基本法が制定されました。

⑧3Rとは、ゴミを減らすリデュース、まだ使える物を再使用するリユース、再生利用を行うリサイクルです。
 公害の防止と環境保全

【環境基本法】環境に関するすべての法律の最上位に位置する法律。
【公害対策基本法】公害を防ぎ、国民の健康と生活環境を守ることを目的とした法律。

 

(1)公害対策基本法:
これは1967年に制定された法律で、
日本での公害問題に対処するための基本的な枠組みを提供しました。
この法律の主な目的は、国民の健康と生活環境を保護し、
公害の発生を防止または軽減することです。

①公害の定義:
大気汚染、水質汚濁、土壌汚染、騒音、振動、地盤沈下、
そして悪臭を含む各種の公害について定義しています。
②責任の明確化:
企業や事業者が公害防止に努めることと、国や地方公共団体が監視・指導する責任を強調しました。
③公害防止計画:
公害を効果的に防止するために必要な施策や計画の策定を求めています。

(2)環境基本法:
これは1993年に制定され、公害対策基本法を発展させたもので、
より広範囲にわたる環境問題へ対応するための基本的な枠組みを提供しています。
この法律は、持続可能な社会を目指して環境保護に関する基本的施策を示しています。

①環境の定義拡大:
公害対策基本法が主に公害問題に焦点を当てていたのに対し、
環境基本法は自然環境の保護、生物多様性の維持、地球温暖化の防止など、
環境問題を広く扱っています。
②持続可能な発展:
環境保護と経済発展を両立させることを目指し、持続可能な開発の理念を取り入れています。
③役割の明確化:
国、地方公共団体、事業者、国民それぞれの役割を明確にし、
協働して環境の保全・改善に取り組むことを求めています。
④環境基本計画:
政府が環境保全に関する基本的な施策を立案・実施できるようにするための計画です。
 日本経済の課題
 
【不良債権】金融機関が企業などに融資(資金を貸すこと)した貸付金のうち、返してもらうことが困難となりそうな貸付金のこと。

 

(1)バブル経済の崩壊:
バブル経済とは:1980年代の後半、日本では土地や株式などの資産価格が急激に上がり、
経済全体が活況を呈していました。
この高騰した状態を「バブル経済」と呼びます。
しかし、これは実体経済(例えば、生産活動や消費)の成長を超えて価格が上昇したものなので、
一種の「泡」のように実態がありません。

①崩壊の経緯:
1990年代の初めに、政府と日本銀行が経済の過熱を抑えるために金融の引き締め政策を行いました。
これによって金利が上昇し、借り入れコストが増したため、土地や株式の価格が下がり始めました。
価格が下がると、資産を持っていた人々や企業は資産価値の減少に苦しむことになり、
多くの企業が倒産したり、金融機関が多数の返済不能な債権を抱えることになりました。

(2)不良債権とは:
①不良債権の定義:
不良債権とは、金融機関が貸し出したお金が返済されない状態になっている借金のことです。
バブル崩壊後、多くの企業が倒産し、借金を返済できなくなったため、
金融機関は大量の不良債権を抱えることとなりました。

②影響と問題:
不良債権が増えると、金融機関は新たな貸し出しを控えざるを得なくなり、経済全体の成長が鈍化します。
この状況は、日本で「失われた10年」とも呼ばれる長期間の経済停滞の一因となりました。

③対応策:
政府と金融機関は、不良債権を処理するために様々な対策を講じました。
銀行の統合や公的資金の注入などによって金融システムの安定化を図りました。
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