理科3年 化学

 電池
 [要点-電池になるための条件]
①電池:
化学変化によって電流を取り出す装置です。

②電池をつくるために必要なもの:
(1)電解質水溶液: 塩酸や硫酸、食塩水、柑橘系の果物(レモン・オレンジなど)などの
電気を通す水溶液が必要です。
ただし、砂糖水やエタノールは非電解質のため、使用できません。

(2)異なる2枚の金属板: 電池の+極(正極)と-極(負極)になるための金属板です。
これらの金属はイオン化傾向が異なるものである必要があります。
同じ金属では電気を取り出せません。

③電池のしくみ:
電解質水溶液と2枚の異なる金属板をセットします。これで電池の完成です。
(1)亜鉛(Zn)が亜鉛イオン(Zn²⁺)になって塩酸中に溶けます。
(2)このとき、亜鉛は電子を2個放出します。
(3)電子は導線を通って銅板に移動します。
(4)塩酸中の水素イオン(H⁺)が電子と結びつき、水素原子(H)になります。
(5)水素原子は2個が結びついて水素分子(H₂)として発生します。
(6)亜鉛板は塩酸中に溶けてぼろぼろになり、銅板からは水素(H₂)が発生します。

   

(7)このことから、電池は化学エネルギーを電気エネルギーに変換していることがわかります。
 [要点-電池の中で起こる変化]
  

①電池:
化学変化によって電流を取り出す装置です。
具体的には、物質の持つ化学エネルギーを電気エネルギーに変えています。

②電池をつくるためには、以下の要素が必要です:
(1)電解質水溶液:
電気を通す水溶液で、塩酸や硫酸、食塩水、
柑橘系の果物(レモン・オレンジなど)が該当します。
ただし、砂糖水やエタノールは非電解質のため使用できません。

(2)異なる2枚の金属板:
電池の+極と-極になるための金属板です。
これらはイオン化傾向の異なる金属である必要があります。
同じ金属では電気を取り出せません。

(3)電池のしくみを理解するために、ボルタ電池を例に挙げてみましょう。

 

ボルタ電池は亜鉛と銅の金属板を使用しています。
以下のようなプロセスで電流が流れます。
1.亜鉛板では亜鉛原子が電子を失い、亜鉛イオン(Zn²⁺)になります。
2.銅板では水素イオン(H⁺)が電子を得て水素原子(H₂)に戻ります。
3.電子は導線を通って銅板に移動し、電流が流れます。 
 電気分解
①電気分解:
電気エネルギーを使って化学反応を引き起こし、物質を分解する方法です。
この過程では、陽極と陰極が登場します。
(1)陽極:陰イオンが引きよせられ、引かれた陰イオンは電子を失う。
(2)陰極:陽イオンが引きよせられ、引かれた陰イオンは電子を受けとる。

 

②陽極:
(1)役割: 正電極(+極)で、電流が外部回路から電解液中に流れ込む極です。
(2)特徴: 電気分解の過程では、酸化反応が起こります。つまり、電子を失う反応が進行します。
(3)例: 塩化ナトリウム(食塩)水溶液の電気分解では、陽極で塩素ガス(Cl₂)が発生します。

③陰極:
(1)役割: 負電極(-極)で、電流が電解液中から外部回路に流れ出る極です。
(2)特徴: 電気分解の過程では、還元反応が起こります。つまり、電子を受け取る反応が進行します。
(3)例: 同じく塩化ナトリウム水溶液の電気分解では、陰極で水素ガス(H₂)が発生します。

④応用例:
(1)バッテリー:
一次電池(二次電池)では、化学エネルギーを電気エネルギーに変換する際に、
電極の役割が重要です。
充電時と放電時で陽極と陰極の役割が逆転することがあります。
(2)メッキ:
金属の表面に他の金属をコーティングする際にも、電気分解が利用されます。

⑤電極の見分け方:
電気分解装置では、一般にプラス側に接続された電極が陽極、
マイナス側に接続された電極が陰極です。
電極の見分けは、電流の流れを理解することが基本です。

⑥まとめ:
陽極: 電流が流れ込む正電極、酸化反応が起こる。
陰極: 電流が流れ出る負電極、還元反応が起こる。
 金属と酸の反応
①例題:
[問題]

 

上図は、亜鉛板と銅板を塩酸に入れた電池のしくみをモデルで表している。

(1) 亜鉛板でおこる変化を化学式、イオン式、電子の記号で表せ。
(2) 銅板でおこる変化を化学式、イオン式、電子の記号で表せ。
(3) 電流の流れる向きは図のア、イどちらか。
(4) +極は亜鉛板、銅板のどちらか。
(5) 銅板のかわりに亜鉛板に変えて(両極共に亜鉛板)同じ実験をしたところモーターは回転しなかったが、
亜鉛板から気体が発生して塩酸に溶けていった。
このときの化学変化を化学反応式で表せ。

[解答]
(1) Zn → Zn2++ 
(2) 2H++ → H2 
(3) ア 
(4) 銅板 
(5) Zn+2HCl → ZnCl2+H2

[解説]

 

(5)両極共に亜鉛板にしたとき電圧は生じず、電池にはならない。
しかし、Zn → Zn2++ の反応はおこり、亜鉛イオン(Zn2+)は水溶液中に溶け出す。

亜鉛の電極に残った電子にひかれて、水素イオン(H+)が移動し、
亜鉛の電極から電子を受け取って水素原子になり(H++ → H)、
さらに水素原子2個が結合して水素分子(H2)となって、亜鉛の電極付近から気体として出てくる。

亜鉛(Zn)は水素(H)よりイオン化傾向が大きいので、
水素にかわってイオンになるような反応が起こります。
 [要点-身のまわりの電池]
①電池の種類:
 

(1)一次電池:
特徴: 使い切ったら再利用できない。
例:
マンガン乾電池(黒色の外装が特徴)
アルカリ乾電池(長持ちしやすい)

(2)二次電池:
特徴: 充電して何度も使える。
例:
ニッケル水素電池(ハイブリッド車や充電式電池)
リチウムイオン電池(スマホ、ノートパソコン)

(3)燃料電池:
特徴: 燃料(例えば水素)から電気を生成し続ける。
例:
水素燃料電池(燃料電池車)
電池の構造と仕組み
マンガン乾電池
構造:
正極(マンガン酸化物)+負極(亜鉛)+電解液(塩化アンモニウム)
仕組み:
負極の亜鉛が酸化し、正極のマンガン酸化物が還元されることで電流が流れる。

(4)アルカリ乾電池:
構造: 正極(酸化マンガン)+負極(亜鉛)+電解液(水酸化カリウム)
仕組み: 電解液のアルカリ性により効率的に反応が進行し、長持ちする。

(5)リチウムイオン電池:
構造: 正極(リチウム化合物)+負極(炭素材料)+電解液(有機溶媒)
仕組み: リチウムイオンが正極と負極の間を移動することで充放電を繰り返す。

②電池の応用例:
(1)日常生活:
リモコンや時計には乾電池(マンガン乾電池やアルカリ乾電池)が使われます。
スマホやノートパソコンにはリチウムイオン電池が使われます。

(2)特定用途:
電気自動車やハイブリッド車にはリチウムイオン電池やニッケル水素電池が使われています。
ソーラー発電の電力貯蔵にはリチウムイオン電池が使われます。

③電池の選び方と注意点:
(1)選び方:
用途: 使用する機器に適した種類の電池を選ぶ。
例えば、長時間使用する場合はアルカリ乾電池、再充電が必要な場合はリチウムイオン電池。

(2)電圧とサイズ: 機器の仕様に合った電圧とサイズの電池を選ぶ。

④注意点:
(1)正しい向き: 電池のプラス・マイナスの向きを確認する。
(2)混用しない: 異なる種類の電池や新旧の電池を混ぜて使用しない。
(3)廃棄: 使用済みの電池は適切にリサイクル。