理科3年 物理

 運動
  [要点-物体の運動・速さ]
①運動の三原則(ニュートンの運動の法則):
(1)慣性の法則(第一法則):
「静止している物体はそのまま静止し続け、運動している物体はそのまま直線運動を続ける」
外力が働かない限り、物体の運動状態は変わりません。これを「慣性」といいます。
例えば、止まっているボールは押さない限り動かず、
滑らかな表面を転がるボールは外力(例えば摩擦力)が働かない限り転がり続けます。
具体例:
車が急に止まると、乗っている人は前に投げ出されるような感覚がある。
自転車が走っているとき、ペダルを漕ぐのをやめてもすぐには止まらずしばらく進み続ける。

(2)運動の法則(第二法則):
「物体に力が加わると、その力に比例した加速度が生じる」
力 (F) を加えると、物体は質量 (m) に反比例する加速度 (a) で運動します。
この関係は F = m × a で表されます。力が大きいほど、加速度も大きくなりますが、
質量が大きいほど加速度は小さくなります。
具体例:
同じ力で軽いボールと重いボールを投げると、軽いボールのほうが速く飛びます(加速度が大きい)。
自転車を漕ぐとき、力を強くすればするほど速く進む。

(3)作用・反作用の法則(第三法則):
「一方の物体が他方の物体に力を加えると、他方の物体も同じ大きさで逆向きの力を加える」
これは、力は常に対になって存在するという考え方です。
例えば、ボールを押すとボールも押し返します。
これにより、物体間の相互作用が成立します。
具体例:
ゴムボールを押すと、手が押し返される感覚がある。
ロケットが燃料を噴射すると、その反動でロケットが進む。

②運動:
物体の位置が時問とともに変化すること。
早さと向きで表されます。

 

(1)速さと運動の向き:
・Aは速さも向きも変化しない。
・Bは速さだけが変化する。
・Cは向きだけが変化する。
・Dは速さも向きも変化する。

③速さの計算:

  (単位:km/h、m/s など)

計算例:
30mを3秒で走るときの速さは、 (m/s)であり、時速に直すと36km/hです。
速さには、以上のような平均の速さとスピードメーターが示す瞬間の速さがあります。
 速さ-速さの意味・計算式
①速さの計算:

 

(1)速さ:
運動している物体の速い遅いを表す量。
(速さ:単位時間あたりに移動する距離。)
速さは単位時間(1秒間、1時間)に移動する距離で表します。

計算例:
(1)自動車が3時間で120km走ったとき、
1時間あたりでは、120(km)÷3(時間)=40(km)進みます。
このときの速さは、時速40km(または40km/h)と表します。

(2)5秒間に30m進む物体は1秒間では、30(m)÷5(秒)=6(m)進みますが、
このときの速さは秒速6m(または6m/s)と表します。

まとめ:
速さは、移動した距離をかかった時間で割って算出される。
速さの単位は、m/s、km/hなどが使われる。
 平均の速さと瞬間の速さ
①瞬間の速さ:

[問題]
次の各問いに答えよ。
(1) ごくわずかな時間に走った距離を、その時間で割って求めた速さを何というか。
(2) (1)に対して、途中の速さの変化を考えずに、移動した全体の距離を
それにかかった時間で割って求めた速さを何というか。
(3) 自動車のスピードメーターが示す値は、問い(1)、(2)のどちらか。

[解答]
(1) 瞬間の速さ 
(2) 平均の速さ
(3) (1)

[解説]
(1)ごく短い時間に移動した距離をもとに求めた速さを瞬間の速さといいます。

(2)自動車のスピードメーターが示す値は、瞬間の速さです。

(3)これに対して、途中の速さの変化を考えないで、
一定の速さで走ったとみなした速さを平均の速さといいます。

計算例:
A町からB町までの180kmを高速道路と一般道路を使って3時間で走ったとする。
速さの変化を考えないで、一定の速さで走ったとみなした平均の速さ(km/)は、
180(km)÷3(時間)=60(km/h)です。
 速さの換算
①速さの計算:
 
[問題]
速さは「1秒」「1時間」という単位時間あたりに、どれだけ物体が移動したかを表しています。
同じ速さであっても、時間の単位を変えると移動する距離が変わります。

(1) 90kmを1時間で走ったときの速さは、何km/hか。
(2) (1)の速さは、何m/sか。

[解答]
(1) 90km/h 
(2) 25m/s

[解説]
(1) (速さkm/h)=(km)÷(時間)=90(km)÷1(時間)=90(km/h)
(2) 1時間=60分=3600秒、90km=90000mなので、
  (速さm/s)=(m)÷(秒)=90000(m)÷3600(秒)=25(m/s)
 速さと進んだ距離
①速さと進んだ距離:
 
[問題]
20km/hの車は、3時間で何km移動するか。

[解答]
60km

[解説]

 

(1)(進んだ距離)=(速さ)×(時間)=20(km/h)×3(時間)=60(km)
  [要点-力のはたらく運動・はたらかない運動]
①力の働く運動:
力が働いているときの運動は、
物体が力の影響を受けて運動の状態が変化する状態です。
これはニュートンの運動の法則(第二法則)や
作用・反作用の法則(第三法則)で説明されます。

(1)特徴:
加速度: 力が加わると物体は加速したり減速したりします。
方向の変化: 力が加わる方向に運動の方向が変わります。
摩擦や抵抗: 日常の多くの運動では、摩擦や空気抵抗が関与しています。

(2)例:
落下運動: 重力が働くため、物体は加速度を伴って地面に向かって落下します。
自動車の加速: エンジンの力が働くため、車は速度を上げて前進します。
ボールの投げ上げ: 投げられた力によってボールは上昇し、その後重力によって下降します。
 
②力の働かない運動:
力が働いていないときの運動は、
物体が他の物体や力の影響を受けずに運動する状態です。
具体的には、ニュートンの慣性の法則(第一法則)が当てはまります。
この法則によると、物体に外力が働かない限り、その運動状態は変化しません。

(1)特徴:
直線運動: 力が働かない場合、物体は等速直線運動を続けます。
一定速度: 物体の速度は一定で、加速も減速もありません。
摩擦がない理想状態: 実際には摩擦や空気抵抗があるため、
完全に力の働かない運動は理論上の概念です。

(2)例:
宇宙空間での物体: 外力がないため、方向と速度が変わらずに動き続けます。
氷上のパック: 摩擦が極めて少ないため、長い距離を等速で滑り続けます。


③力が働かないか、つりあっているときの運動:
力が働いていない場合、または働く力がつりあっている場合
一定の速さで落下する雨粒は、(重力)=(空気抵抗による力)で、物体は等速直線運動を行う。
速さのグラフは上図イのようになります。
進んだ距離と時間は比例するので、距離-時間のグラフは上図アのようになります。

   

④力が働くときの運動:
(1)球がA点にあるとき重力のために斜面の下方向の力が働きます。
このためAB間ではだんだん速くなり、速さのグラフは上図アのようになります。

(2)斜面の傾きを大きくすると速さの増える割合は大きくなります。
進んだ距離のグラフは上図イのようになります。

(3)BC間では力が働いていないので等速直線運動を行います。
CD間では重力のために斜面の下向きで進行方向と反対の力が働くため、
速さはだんだん遅くなります。
 いろんな運動-力がはたらく運動:斜面
①斜面に沿った運動:
斜面に物体が置かれている場合、重力や垂直方向の力が斜面の面に沿って分解されます。

 

②重力 :
物体の質量に比例して、下向きに働く力です。

③斜面に沿った力 :(分力A、分力C)
斜面の面に沿って働く力です。
この力は重力を斜面の角度に応じて分解したものです。

③斜面に垂直な力 :(分力B、分力D)
斜面の面に垂直に働く力です。
この力は重力を斜面の角度に応じて分解したものです。
 力がはたらく運動:落下運動
①速さが変化する運動:
速さが変化するのは、力がはたらいたときです。

(1)自然に落下する運動を自由落下といいます。
このとき、一定の大きさの力がはたらき続けているため、
速さは一定の割合で増していきます。
自由落下や斜面をすべりおりる運動は、
時間を横軸にとった場合の「時間と速さ」のグラフが一定の割合で長くなります。
例:
おもりの質量を2倍にすると、おもりに働く重力は2倍になるが、
質量も2倍なので、落下距離はもとと同じになる。

(2)等速直線運動:
等速直線運動は、物体が一定の速さでまっすぐ進む運動です(速さは変化しません)。
速さが変化しないのは、力がはたらいていないかつつりあっているときです。
等速直線運動をしている物体には、力がはたらいていないかつつりあっていることがポイントです。

(3)慣性の法則:
慣性は、直前の運動の状態を保とうとする性質です。
物体の運動は慣性の影響を受けます。
例えば、急ブレーキを踏まれるとバスの速さが減少しますが、
乗客は慣性によりその場で静止しようとします。
 力がはたらく運動:摩擦力など
①運動摩擦力:
摩擦力は、物体どうしの接している面にはたらく力です。
ざらざらな面では摩擦力が強くはたらき、つるつるな面ではあまりはたらきません。
実際には摩擦力の大きさは垂直抗力に比例します。

②摩擦がする仕事:
摩擦力は物体の動きをジャマする力とも言えます。
摩擦力がはたらくことで、物体は最終的には止まってしまいます。
摩擦力は運動エネルギーをうばうことができるため、摩擦が仕事をします。

例:木片に進行方向とは逆向きの摩擦力が働くので、
木片はだんだん遅くなり、やがて止まる。