国語漢文(句法)

 返り点  置き字  再読文字  否定形  禁止形
 不可能  二重否定  部分と全部否定  疑問形  反語形
 使役形  受身形  仮定形  比較形  選択形
 累加形  抑揚形  比況形  願望形  限定形
 詠嘆形        

 返り点
 レ点 (レ点をはさんだ下の字から一字上の字に返る)
 
  少年易レ老学難レ成。

  【読】少年老い易く学成り難し。
  【訳】年をとるのは早いが、学問はなかなか成就しない。
 
 一二三点 (二字以上、上の字に返る)
 
  尽二人事一待二天命一。

  【読】人事を尽くして天命を待つ。
  【訳】人間としてできる限りのことをして、あとは運を天にまかせる。
 
 上中下点 (一二の部分をはさんで、さらに上の字に返る。)
 
 楚人有下鬻二盾与一レ矛者上。

  【読】楚人に盾と矛とを鬻(ひさ)ぐ者有り。
  【訳】楚の人に盾と矛とを売っている者がいた。
 
 甲乙丙丁点 (上下点の部分をはさんで、さらに上の字に返る)
 
 欲乙得下有二才智一者上用甲。

  【読】才智有る者を得て用(もち)ひんと欲す。
  【訳】才能のある人を得て用いたいと思う。
 戻る
 置き字
 而(ジ) (文中で接続助詞[直前の送りがなの<テ・シテ・デ・ドモ>]の働きをする)
 
 学而時習レ之、不ニ亦説一乎。

  【読】学びて時にこれを習ふ、亦説ばしからずや。
  【訳】教わったことを折に触れて復習する、なんと喜ばしいことではないか。
 
 於(オ)・于(ウ)・乎(コ) (文中で補語の上に置かれて、補語の送りがな[ニ・ト・ヨリ・ヨリモ]の働きをする。)
 
 良薬苦ニ於口一而利二於病一。

  【読】良薬は口に苦(にが)けれども病に利あり。
  【訳】良い薬は口には苦いが、病気にはよく効く。
 
 矣(イ)・焉(エン)・也(ヤ) (文<句>末で断定・強調の意を示す。)
 
 過而不レ改是謂レ過矣。

  【読】過(あやま)ちて改めざる、是を過ちと謂ふ。
  【訳】過ちを犯して改めないこと、これが本当の過ちだ。
 
 兮(ケイ) (詩の中で整調の働きをする)
 
 力抜レ山兮気蓋レ世。

  【読】力は山を抜き、気は世を蓋(おほ)ふ。
  【訳】力は山を引き抜くほどであり、意気は世を覆い尽くすほどだ。
 戻る
 再読文字
 未ニ・・・一 (いまダ・・・セず<まだ・・・しない>))
 
  未ニ嘗敗北一。

  【読】未(いま)だ嘗(かつ)て敗北せず。
  【訳】まだ敗北したことがない。
 
 将ニ・・・一 (まさニ・・・スベシ<きっと・・・だろう>)
 
 人之将レ死其言也善。

  【読】人の将(まさ)に死せんとするや、其の言や善し。
  【訳】人が今にも死にそうな時に言う言葉はよいものだ。
 
 当ニ・・・一 (まさニ・・・スベシ<当然・・・すべきだ、・・・しなければならない)
 
 当レ惜二寸陰一。

  【読】当(まさ)に寸陰を惜しむべし。
  【訳】わずかな時間も惜しまなければいけない。
 
 応ニ・・・一 (まさニ・・・スベシ<きっと・・・だろう>)
 
 応レ知ニ故郷事一。

  【読】応(まさ)に故郷の事を知るべし。
  【訳】きっと故郷の事を知っているだろう。
 
 宣ニ・・・一 (よろシク・・・スベシ<・・・するのがよろしい>)
 
 用レ人宣レ取ニ其所一レ長。

  【読】人を用(もち)ふるは、宜しく其の長ずる所を取るべし。
  【訳】人を用いる場合は、その人の長所を生かすようにするのがよろしい。
 
 須ニ・・・一 (すべかラク・・・スベシ<・・・する必要がある、・・・しなければならない>)
 
  須三常思二病苦時一。

  【読】須(すべか)らく常に病苦の時を思ふべし。
  【訳】常に病気で苦しんだ時のことを思い出す必要がある。
 
 盍ニ・・・一 (なんゾ・・・セざル<どうして・・・しないのか、・・・したらどうか>)
 
 盍三各言二爾志一。

  【読】盍(なん)ぞ各々(おのおの)爾(なんじ)の志(こころざし)を言はざる。
  【訳】どうしてそれぞれ自分の志を言わないのか。
 
 猶ニ・・・一 (なホ・・・ノ(ガ)ごとシ<あたかも・・・のようだ、ちょうど・・・と同じだ>)
 
 過猶レ不レ及。

  【読】過ぎたるは、猶(な)ほ及ばざるがごとし。
  【訳】行き過ぎは、足りないのと同じことだ。
 戻る
 否定形
 不(弗)ニ・・・一 (・・・セず<・・・しない、・・・ない>)
 
 弗レ食不レ知ニ其旨一也。

  【読】食(く)らはざれば其の旨(うま)きを知らざるなり。
  【訳】食べてみなければ、そのうまさはわからない。
 
 非(匪)ニ・・・一 (・・・ニあらズ<・・・ではない、・・・でない>)
 
 兵非ニ君子之器一。

  【読】兵は君子の器(き)に非(あら)ず。
  【訳】武器は君子の用いる道具ではない。
 
 無(莫・勿・母)二・・・一 (・・・なシ<・・・がない、・・・なものはない>)
 
 有レ害無レ益。

  【読】害有りて益無し。
  【訳】害があって、益がない。
 戻る
 禁止形
 勿ニ・・・一 (・・・スルなカレ<・・・するな、・・・してはいけない>)
 
 己所レ不レ欲勿レ施ニ於人一。

  【読】己の欲せざる所、人に施(ほどこ)すこと勿(なか)れ。
  【訳】自分のいやなことは、人にしてはいけない。
 
 不レ可ニ・・・一 (・・・スベカラず<・・・するな、・・・してはいけない>)
 
 一寸光陰不レ可レ軽。

  【読】一寸の光陰(くわういん)軽んずべからず。
  【訳】わずかな時間も無駄にしてはいけない。
 戻る
 不可能
 不レ可ニ・・・一 (・・・すべからず<・・・できない>)
 
 朽木不レ可レ彫。

  【読】朽木(きょうぼく)は彫(ゑ)るべからず。
  【訳】腐った木は彫刻することができない。
 
 不レ能ニ・・・一 (・・・スルあたハず<・・・できない>)
 
 其人弗レ能レ応也。

  【読】其の人応ふる能はざるなり。
  【訳】その人は答えることができなかった。
 
 無ニ能・・・一 (よク・・・スルモノなシ<できるものはない>)
 
 莫ニ能仰視一。

  【読】能(よ)く仰ぎ視(み)るもの莫(な)し。
  【訳】仰ぎ見ることができるものはない。
 
 不レ得ニ・・・一 (・・・スルヲえず<・・・できない>)
 
 終不レ得レ帰レ漢。

  【読】終に漢に帰るを得ず。
  【訳】とうとう漢に帰ることができなかった。
 
 不レ可ニ勝・・・一 (あゲテ・・・スベカラず<・・・しきれないほど多い>)
 
 魚鳥不レ可ニ勝数一。

  【読】魚(ぎょ)鳥(てう)勝(あ)げて数(かぞ)ふべからず。
  【訳】魚や鳥は数えきれないほど多い。
 戻る
 二重否定
 無レ不ニ・・・一 (・・・セざル(ハ)なシ<・・・しないものはない>)
 
 無レ不レ知レ愛ニ其親一。

  【読】其の親を愛するを知らざるなし。
  【訳】自分の親を愛することを知らないものはない。
 
 無レ非ニ・・・一 (ニあらザル(ハ)なシ<・・・でないものはない>)
 
 天下無レ非ニ王土一。

  【読】天下王(わう)土(ど)に非ざるはなし。
  【訳】天下に王の土地でないものはない。
 
 非レ不ニ・・・一 (・・・セざルニあらズ<・・・しないのではない>)
 
 非レ不レ悪レ寒也。

  【読】寒を悪(にく)まざるに非(あら)ざるなり。
  【訳】寒さを嫌わないわけではない。
 
 非レ無ニ・・・一 (・・・なキニあらズ<・・・がないのではない>)
 
 君子非レ無レ過。

  【読】君子、過(あやま)ち無きに非(あら)ず。
  【訳】君子にも過ちがないわけではない。
 
 不三敢不ニ・・・一 (あヘテ・・・セずンバアラず<・・・しないわけにはいかない>)
 
 不二敢不一レ行。

  【読】敢(あ)へて行かずんばあらず。
  【訳】行かないわけにはいかない。
 
 未三嘗不ニ・・・一 (いまダかつテ・・・セずンバアラず<今までに・・・しなかったことはない>)
 
 未ニ嘗不一レ勝。

  【読】未だ嘗(かつ)て勝たずんばあらず。
  【訳】今まで一度も勝たなかったことはない。
 
 不レ可レ不ニ・・・一 (・・・セざルベカラず<・・・しなければならない>)
 
 父母之年不レ可レ不レ知也。

  【読】父母の年は知らざるべからざるなり。
  【訳】両親の年齢は知っていなければならない。
 
 無ニA不一レB (AトシテBセざルハなシ<どんなAでもBしないものはない>)
 
 無ニ木不一レ枯。

  【読】木として枯れざるは無し。
  【訳】どんな木でも枯れないものはない。
 戻る
 部分否定と全部否定
 不ニ常・・・一 (つねニハ・・・セず<いつも・・・するとは限らない>)
 
 千里馬常有勿伯楽不ニ常有一。

  【読】千里の馬は常に有れども、伯楽は常には有らず。
  【訳】千里の馬はいつもいるが、伯楽はいつもいるとは限らない。
 
 常不ニ・・・一 (つねニ・・・セず<いつも・・・しない>)
 
 伯楽常不レ有。

  【読】伯楽は常に有らず。
  【訳】伯楽はいつもいない。
 
 不ニ復・・・一 (まタ・・・セず<二度と再び・・・しない>)
 
 兎不レ可ニ復得一。

  【読】兎(うさぎ)復(ま)た得(う)べからず。
  【訳】兎は二度と再びつかまえることができなかった。
 
 復不ニ・・・一 (まタ・・・セズ<今度もまた・・・しない>)
 
 兎復不レ可得。

  【読】兎(うさぎ)復(ま)た得べからず。
  【訳】兎は今度もまたつかまえることができなかった。
 戻る
 疑問形
 ・・・乎(也・哉・与・邪・耶) (・・・や、・・・か)
 
 魯孔丘与。

  【読】魯の孔丘か。
  【訳】魯の国の孔丘か。
 
 何・・・(乎・胡・庸) (なんゾ・・・(や)
 
 何前倨而後恭也。

  【読】何(なん)ぞ前には倨(おご)りて、後には恭(うやうや)しきや。
  【訳】どうして以前はおごっていたのに、後からはへりくだっているのか。
 
 何為・・・(乎) (なんすレゾ・・・(や)<どうして・・・か>)
 
 何為不レ去也。

  【読】何(なん)為(す)れぞ去らざるや。
  【訳】どうして去らないのか。
 
 ・・・何也 (・・・ハなんゾや<・・・なのはどうしてか>)
 
 不レ読レ書何也。

  【読】書を読まざるは何ぞや。
  【訳】書物を読まないのはどうしてだ。
 
 何以・・・ (なにヲもつテカ・・・<どうして・・・か、どうやって・・・か>)
 
 何以殺レ人。

  【読】何を以(もつ)てか人を殺す。
  【訳】どうして人を殺すのか。
 
 安(寧・焉・悪・鳥)・・・(乎) (いづクンゾ・・・(や)<どうして・・・か>)
 
 彼悪知レ之。

  【読】彼悪(いづ)くんぞ之を知る。
  【訳】かれはどうしてこれを知っているのか。
 
 何・・・ (なにヲカ・・・<何を・・・か>)
 
 於ニ斯三者一何先。

  【読】斯の三者に於いて、何をか先にせん。
  【訳】この三つのうち、何を最初にしようか。
 
 安(何)・・・ (いづクニカ・・・<どこに・・・か>)
 
 沛公安在。

  【読】沛公安(いづ)くにか在る。
  【訳】沛公はどこにいるのか。
 
 誰・・・ (たれカ・・・<誰が・・・か>)
 
 誰加レ衣者。

  【読】誰(たれ)か衣を加ふる者ぞ。
  【訳】誰が衣服を掛けてくれたのか。
 
 孰・・・ (いづレカ・・・<どちらが・・・か>)
 
 汝与レ回也孰愈。

  【読】汝と回とは、孰(いづ)れか愈(まさ)れる。
  【訳】おまえと回とはどちらがまさっているのか。
 
 何如(何若)  (いかん<どうであるか>)
 
 今日事何如。

  【読】今日の事、何如(いかん)。
  【訳】今日の事態はどうであるか。
 
 如何(奈何・若何) (いかんセン<どうしたらよいか>)
 
 朋友之際如何。

  【読】朋友の際は如何(いかん)せん。
  【訳】友人との交際はどうしたらいいのか。
 
 幾何(幾許) (いくばく<どれくらい、どれほど>)
 
 如レ我能将ニ幾何一。

  【読】我のごときは能(よ)く幾何(いくばく)に将たるか。
  【訳】私のような者はどれくらいの兵の将になることができようか。
 
 ・・・否  (・・・ヤいなや<・・・かどうか、・・・だろうか>))
 
 視ニ吾舌一。尚在否。

  【読】吾が舌を視(み)よ。尚(な)ほ在りや否や。
  【訳】私の舌を見てみろ。あるか、ないか。
 
 ・・・未  (・・・ヤいまダシヤ<・・・だろうか、・・・まだだろうか>)
 
 寒梅著レ花未。

  【読】寒梅花を著(つ)けしや、未(いま)だしや。
  【訳】寒梅は花を咲かせただろうか、まだだろうか。
 戻る
 反語形
 ・・・乎  (・・・ンや<・・・だろうか、いや・・・ない>)
 
 以レ臣弑レ君、可レ謂レ仁乎。

  【読】臣を以て君を弑(しい)す、仁と謂(い)ふべけんや。
  【訳】臣下の身分で主君を殺すのは、仁と言えるだろうか。
 
 何・・・(乎) (なんゾ・・・ン(や)<どうして・・・だろうか、いや・・・ない>)
 
 吾何愛二一牛一。

  【読】吾何(なん)ぞ一牛を愛(を)しまん。
  【訳】私はどうして一頭の牛を惜しんだりしようか。
 
 何為・・・(乎)  (なんすレゾ・・・ン(や)<どうして・・・だろうか、いや・・・ない>)
 
 吾何為不レ楽。

  【読】吾何為(なんす)れぞ楽しまざらん。
  【訳】わたしはどうして楽しまないことがあろうか。
 
 安・・・(乎)  (いづクンゾ・・・ン(や)<どうして・・・だろうか、いや・・・ない>)
 
 燕雀安知ニ鴻鵠之志一哉。

  【読】燕雀(えんじゃく)安(いづ)くんぞ鴻鵠(こうこく)の志を知らんや。
  【訳】燕(つばめ)や雀(すずめ)のような鳥に、どうして大きな鳥の志がわかるだろうか。
 
 豈・・・(哉) (あニ・・・ン(や) <どうして・・・だろうか、いや・・・ない>)
 
 豈遠二千里一哉。

  【読】豈(あ)に千里を遠しとせんや。
  【訳】どうして千里の道程を遠いと思ったりするだろうか。
 
 独・・・(哉) (ひとり・・・ン(や) <どうして・・・だろうか、いや・・・ない>)
 
 独畏ニ廉将軍一哉。

  【読】独り廉(れん)将軍を畏(おそ)れんや。
  【訳】どうして廉将軍を畏れたりしようか。
 
 敢・・・(乎)  (あヘテ・・・ン(や)<どうして・・・だろうか、いや・・・ない>)
 
 百獣之見レ我而敢不レ走乎。

  【読】百獣の我を見て敢へて走らざらんや。
  【訳】あらゆる獣たちが私を見てどうして逃げ出さないことがあろうか。
 
 何以・・・(乎)  (なにヲもつテ(カ)・・・ン(や) <どうして・・・だろうか、いや・・・ない>)
 
 不レ敬何以別乎。

  【読】敬せずんば何を以(もつ)て別(わか)たんや。
  【訳】敬(うやま)いの気持を持たなくては、どうして区別できるだろうか。
 
 安・・・  (いづクニカ・・・ン <どこに・・・だろうか、いやどこにも・・・ない>)
 
 我安適帰矣。

  【読】我安(いづ)くにか適帰せん。
  【訳】私は一体どこに身を寄せたらいいのだろうか。
 
 誰・・・ (たれカ・・・ン <誰が・・・だろうか、いや誰も・・・ない>)
 
 人生自レ古誰無レ死。

  【読】人生古(いにしへ)より誰(たれ)か死無からん。
  【訳】人間は昔から誰が死がないだろうか。
 
 何・・・  (なにヲカ・・・ン<何を・・・だろうか、いや何も・・・ない>)
 
 夫何憂何懼。

  【読】夫(そ)れ何をか憂へ何をか懼(おそ)れん。
  【訳】一体何を憂えたり恐れたりする必要があるだろうか。
 
 何・・・ ・・・ (なんノ・・・カ・・・ン <どんな・・・が・・・だろうか、いやどんな・・・も・・・ない>)
 
 我何面目見レ之。

  【読】我何の面目ありてか之に見えん。
  【訳】私は一体どういう面目があって彼らに会えようか。
 
 如A何  (Aヲいかんセン <Aをどうしたらよいか、いやどうすることもできない>)
 
 虞兮虞兮奈レ若何。

  【読】虞(ぐ)や虞や若(ばんじ)を奈何(いかん)せん。
  【訳】虞よ、虞よ、おまえを一体どうしたらいいだろうか。
 
 幾何  (いくばくゾ<どれほどであろうか、いやいくらもない>)
 
 浮生如レ夢。為レ歓幾何。

  【読】浮生(ふせい)は夢のごとし。歓を為すこと幾何(いくばく)ぞ。
  【訳】人生は夢のようなものだ。楽しく過ごせる時間はどれくらいだろうか。
 戻る
 使役形
 A使ニBC一 (A、BヲシテCセしム <AはBにCさせる>) (令・教・遺・俾)
 
 天帝使三我長二百獣一。

  【読】天帝、我をして百獣に長たらしむ。
  【訳】天の神様は私に百獣の王をさせている。
 
 A命レBC (A,BニめいジテCセシム <AはBに命令してCさせる>)
 A遣レBC (A,BヲつかハシテCセシム <AはBを派遣してCさせる>)
 A召レBC (A,BヲめシテCセシム <AはBを呼び寄せてCさせる>))
 
 命ニ義経一討二平氏一。

  【読】義経に命じて平氏を討たしむ。
  【訳】義経に命令して平氏を討たせる。
 戻る
 受身形
 見ニ・・・一 (・・・る、・・・らル、・・・れる、・・・られる、・・・される)  (被・為・所)
 
 寛而見レ畏、而見レ愛。

  【読】寛(くわん)にして畏(おそ)れられ、厳(げん)にして愛せらる。
  【訳】寛大でありながら畏れられ、厳格でありながら愛される。
 
 A為ニB所一レC (A,BノCスルところトなル <AはBにCされる>)
 
 欺レ人者却為ニ人所一レ欺。

  【読】人を欺く者は却(かへ)つて人の欺く所と為(な)る。
  【訳】人を裏切るような人間は、かえって人に裏切られる。
 
 ACニ於B一 (A,BにCセラル <AはBにCされる>)
 
 労レ力者治ニ於人一。

  【読】力を労する者は人に治めらる。
  【訳】肉体を働かす者は人に治められる。
 戻る
 仮定形
 如(若)・・・ (もシ・・・バ <もし・・・ならば>)
 
 学若無レ成不ニ復還一。

  【読】学若(も)し成(な)る無(な)くんば、復(ま)た還(かへ)らず。
  【訳】学問がもし成就しなかったならば、二度と故郷へは帰らない。
 
 苟・・・  (いやシクモ・・・バ <かりにも・・・ならば>)
 
 苟為二後レ義而先一レ利不レ奪不レ饜。

  【読】苟(いや)しくも義を後にして利を先にするを為さば、奪はずんば饜(あ)かず。
  【訳】かりにも義を後にして利益を優先するならば、奪い尽くすまで満足しなくなる。
 
 縦・・・ (たとヒ・・・トモ(モ) <たとえ・・・としても>) (縦令・縦使・縦然・仮令)
 
 縦彼不レ言、籍独不レ愧ニ於心一乎。

  【読】縦(たと)ひ彼言はずとも、籍(せき)独(ひと)り心に愧(は)ぢざらんや。
  【訳】たとえ彼が何も言わなくても、私はどうして心の中で恥じずにはいられようか。
 
 雖二・・・一 (・・・トいへども <・・・とは言っても、たとえ・・・であっても>)
 
 自反而縮、雖ニ千万人一吾往矣。

  【読】自ら反(かえり)みて縮(なほ)くんば、千万人と雖(いえど)も吾往(ゆ)かん。
  【訳】自分を振り返って正しければ、たとえ相手が千万人であっても私は立ち向かう。
 
 微ニ・・・一 (・・・なカリセバ <・・・がなかったならば>)
 
 微ニ孔孟一王道或不レ興。

  【読】孔孟(こうもう)微(な)かりせば、王道或いは興(おこ)らざらん。
  【訳】もし孔子と孟子がいなかったならば、王道はあるいは興らなかっただろう。
 戻る
 比較形
 ACニ於B一 (AハBヨリモCナリ <AはBよりCである>)
 
 苛政猛ニ於虎一也。

  【読】苛政(かせい)は虎よりも猛(まう)なり。
  【訳】過酷な政治は人食い虎よりも恐ろしい。
 
 A不レ如(若)レB (AハBニしカず <AはBには及ばない、AよりもBのほうがよい>)
 
 百聞不レ如ニ一見一。

  【読】百聞は一見に如(し)かず。
  【訳】百回聞くよりも一回見た方がよい。
 
 A無レ如レB (AハBニしクハなシ <Aに関してはBに勝るものはない、Aに関してはBが一番だ>)
 
 人之所レ急無レ如ニ其身一。

  【読】人の急にする所は其の見に如(し)くは無し。
  【訳】人間が一番大切にするものに関しては、自分自身にまさるものはない。
 
 A莫レCニ於B一 (AハBヨリCナルハなシ <Aに関してはBよりCなものはない>)
 
 天下之水莫レ大ニ於海一。

  【読】天下の水、海より大なるは莫(な)し。
  【訳】天下の水に関しては海よりも大きなものはない。
 
 莫レAレ焉 (これヨリAナルハなシ <これよりもAなものはない>)
 
 晋国天下莫レ強レ焉。

  【読】晋国は天下に焉(これ)より強なるは莫(な)し。
  【訳】晋の国は天下にこれより強いものはない。
 戻る
 選択形
 与レA寧B (AよりハむしロB <A(する)よりはむしろB(する)ほうがよい>)
 
 喪与ニ其易一寧戚。

  【読】喪(も)は其の易(をさ)まらんよりは寧(むし)ろ戚(いた)め。
  【訳】葬儀は、形が整っていることよりは、むしろ死者を悼(いた)め。
 
 寧A無レB (むしロAストモBスルコトなカレ <むしろAしてもBはするな>)
 
 寧為ニ鶏口一、無レ為ニ牛後一。

  【読】寧ろ鶏口と為るとも牛後と為る無かれ。
  【訳】むしろ鶏のくちばしになっても牛の尻にはなるな。
 
 A孰ニ-与B一 (AハBニいづレゾ <AはBに比べてどうか>)
 
 漢孰ニ-与我大一。

  【読】漢は我の大なるにいづれぞ。
  【訳】漢はわが国の大きさに比べてどうか。
 戻る
 累加形
 不ニ唯A一B (たダニAノミナラず、B <ただAなだけでなく、B>)
 非ニ唯A一B (たダニAノミニあらズ、B <ただAなだけでなく、B>) (惟・徒・独)
 
 非ニ徒無一レ益而又害レ之。

  【読】徒(た)だに益無きのみに非(あら)ずして、又之(これ)を害す。
  【訳】ただ益がないというだけでなく、害まで与えている。
 
 豈唯AB (あニたダニAノミナランヤ、B <どうしてただAなだけであろうか、されにBである>) (惟・徒)
 
 豈唯怠レ之又従而盗レ之。

  【読】豈(あ)に唯(た)だに之を怠るのみならんや、又従ひて之を盗む。
  【訳】どうしてただこれを怠るだけだろうか、いやそれ以上に盗んでさえいる。
 
 何独AB (あニたダニAノミナランヤ、B <どうしてただAなだけであろうか、さらにBである>) 
 
 故郷何独在ニ長安一。

  【読】故郷何(なん)ぞ独(ひと)り長安に在るのみならんや。
  【訳】故郷はどうしてただ長安にあるだけであろうか、いやここもまた故郷である。
 戻る
 抑揚形
 A且B、況C乎 (AスラかツB,いはンやCヲヤ、B <どうしてただAなだけであろうか、さらにBである>) (猶・尚)
 
 死馬且買レ之、況生者乎。

  【読】死馬すら且(か)つ之を買ふ。況(いは)んや生ける者おや。
  【訳】死んだ馬でさえ買ったのだ、まして生きている馬であればなおさらだ。
 
 A且B、安C乎 (AスラかツB,いづクンゾCンや <AでさえBなのだ、どうしてCなことがあろうか、いやBだ>)(猶・尚)
 
 臣死且不レ避、巵酒安足レ辞。

  【読】臣(しん)死すら且(か)つ避けず、巵酒(ししゅ)安(いづ)くんぞ辞するに足らん。
  【訳】私は死ぬことさえ避けたりはしない、どうして大杯の酒を辞退しようか。
 
 AB、(而)況C乎 (AハB、(しかルヲ)いはンヤCヲや <AはBだ、ましてCであればなおさらBだ>) 
 
 至ニ於犬馬一尽然、而況於レ人乎。

  【読】犬馬に至るまで尽(ことごと)く然(しか)す、而(しか)るを況(いは)んや人に於(お)いてをや。
  【訳】犬や馬にいたるまでそうする、まして人間であればなおさらであろう。
 戻る
 比況形
 如(若)ニ・・・一 (・・・ノ(ガ)ごとシ <・・・のようだ、・・・と同じだ>)
 
 君子之交淡若レ水。

  【読】君子の交わりは淡きこと水のごとし。
  【訳】君子の交際は淡いことと言ったら水のようだ。
 戻る
 願望形
 請(乞)・願(幸)・庶(冀・庶幾) (・・・こフ、ねがハクハ、こひねがハクハ・・・ン <どうか・・・させてください>)
 
 請以レ剣舞。

  【読】請(こ)ふ、剣を以(もつ)て舞はん。
  【訳】どうか私に剣舞をさせてください。
 
 請・願・庶・・・ (こフ、ねがハクハ・・・セヨ <どうか・・・してください>)
 
 願大王急渡。

  【読】願はくは、大王、急ぎ渡れ。
  【訳】どうか大王様、急いでお渡りください。
 戻る
 限定形
 ・・・耳 (・・・のみ <・・・だけだ、・・・に過ぎない>)
 (已・爾・而已・而已矣・也已・也已矣)
 
 楚人沐猴而冠耳。

  【読】楚人(そひと)は沐猴(もつこう)にして冠(くわん)するのみ。
  【訳】楚の国の人間は猿が冠をかぶっているだけだ。
 
 唯・・・ (たダ・・・ノミ <ただ・・・だけだ、・・・に過ぎない>)
 (惟・只・但・徒・直・特・祇)
 
 直不ニ百歩一耳。

  【読】直(た)だ百歩ならざるのみ。
  【訳】ただ百歩でないだけだ。
 戻る
 詠嘆形
 ・・・矣  (・・・かな <・・・だなあ、・・・なことよ>)
 (夫・哉・与・乎)
 
 逝者如レ斯夫。

  【読】逝者は斯くのごときかな。
  【訳】流れゆく者はみなこのようなものよなあ。
 
 嗚呼・・・(矣) (ああ・・・(かな) <ああ・・・だなあ>)
 (唉・嘻・噫・鳴・嗟・吁・嗚乎・嗟呼・嗟乎・吁嗟・于嗟・嗟于・噫嘻・鳥乎・于差)
 
 嗚呼哀哉。

  【読】ああ、哀しいかな。
  【訳】ああ、悲しいなあ。
 
 何・・・也 (なんゾ・・・や <なんと・・・なことよ>)
 
 何楚人之多也。

  【読】何(なん)ぞ楚人の多きや。
  【訳】なんと楚の人間の多いことよ。
 
 豈不ニ・・・一哉 (あニ・・・ずや <なんと・・・ではないか>)
 
 豈不レ悲哉。

  【読】豈(あ)に悲しからずや。
  【訳】なんと悲しいことではないか。
 
 不二亦・・・一乎 (また・・・ずや <なんと・・・ではないか>)
 
 学而時習レ之、不ニ亦説一乎。

  【読】学びて時に之を習ふ、亦(また)説(よろこ)ばしからずや。
  【訳】教わったことを折に触れて復習する、なんと喜ばしいことではないか。
 戻る