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 仮定法過去
仮定法過去は、現在の事実の逆や願望を表します。
例えば、以下のような事実があったとします。

As I don't have money, I can't buy it.
「お金を持っていないので、私はそれを買えない。」

この文ように、現在における事実は普通に現在形を用いて表します。
そして、この文の逆は以下のようになります。

「もしお金を持っていれば、私はそれを買うことができるのに。」

これは現在の事実の逆、または願望を表します。
そして、このような仮定を英語で表す時は現在のことでも過去形を用いて表し、
仮定法過去と呼ばれます。
英語の形は以下のようになります。

If + 主語 + (助)動詞の過去形 ~ ,
主語 + would(could, should, might) + 動詞の原形 ~ .


意味は、「もし~なら、~だろう(~できるのに、~すべきだ、~かもしれない)」となります。
If節ではない方の文には、必ず助動詞のwould, could, should, migntのうちどれかが用いられます。
だいたいwouldかcouldが用いられます。

単純に「~するだろう」という時にはwouldを、
「できるのに」と能力や可能性の話をする時にはcouldを用います。
上の仮定の文をこの形を用いて英語に書き換えると、以下のようになります。

If I had money, I could buy it.
「もしお金を持っていれば、私はそれを買うことができるのに。」

現在の事実の逆を表すので、事実の文が否定なら仮定法過去の文は肯定に、
事実の文が肯定なら仮定法過去の文は否定になります。


次に、以下の文を仮定法過去の文に書き換えてみましょう。

As I'm not a bird, I can't fly to you.
「私は鳥ではないので、あなたのところに飛んでいけない。」

この文を仮定法過去の文に書き換えると、以下のようになります。

If I were a bird, I could fly to you.
「もし私が鳥なら、あなたのところに飛んで行けるのに。」

仮定法過去の文では、be動詞はwereを用います。

口語(話し言葉)では以下のようにwasを用いることもありますが、
文語(書き言葉)では通常wereを用います。


If I was a bird, I could fly to you.

しかし、最近はほとんどの場合でwereが用いられるようです。
また、仮定法過去の文はIfを省略し、
主語と動詞の順番を逆にして以下のように書くことができます。

If I had money, I could buy it. → Had I money, I could buy it.
If I were a bird, I could fly to you. → Were I a bird, I could fly to you.
 仮定法過去完了
仮定法過去完了は過去の事実の逆や願望を表し、形は以下のようになります。

If + 主語 + had + 過去分詞 ~ ,
主語 + would(could, should, might) + have + 過去分詞 ~ .


意味は、「もし~だったら、~しただろう(~できたのに、~すべきだったのに、~だったかもしれない)」となります。
If節ではない方の文には、必ず助動詞のwould, could, should, migntのうちどれかが用いられます。
だいたいwouldかcouldが用いられます。

単純に「~しただろう」という時にはwouldを、
「できたのに」と能力や可能性の話をする時にはcouldを用います。


以下の過去の事実を表す文を仮定法過去完了の文に書き換えてみましょう。

As I didn't have money, I couldn't buy it.
「お金を持っていなかったので、私はそれを買えませんでした。」

この場合、事実なので過去のことを表すのに(助)動詞の過去形を用います。
この文を仮定法過去完了の文に書き換えると、以下のようになります。

If I had had money, I could have bought it.
「もしお金を持っていたら、私はそれを買うことができたのに。」

この文は、「お金を持っていなかったので、買えなかった。」という事実の逆を表しているので、
過去の出来事ですが仮定法過去完了を用いて表します。

If節ではない方の文では助動詞の後ろは動詞の原形なので、
過去完了形「had + 過去分詞」を用いることができません。
よって、「have + 過去分詞」を用い、
「would(could, should, might)have + 過去分詞」という形を用います。


また、仮定法過去完了の文はIfを省略し、
過去完了形を作るhadと主語の順番を逆にして以下のように書くことができます。

If I had had money, I could have bought it.
→ Had I had money, I could have bought it.
 仮定法過去 + 仮定法過去完了
仮定法過去は、以下のように現在の事実の逆や願望を表します。

If I knew her adress, I would visit her.
「もし彼女の住所を知っていれば、私は彼女を訪れるでしょう。」

仮定法過去完了は、以下のように過去の事実の逆や願望を表します。

If I had known her adress, I would have visited her.
「もし彼女の住所を知っていたら、私は彼女を訪れたでしょう。」

そして、「もし(過去に)~していたら、(今)~だろう」というようにIf節が過去のことで、
もう片方が現在のことを表す場合があります。
このような場合、仮定法過去と仮定法過去完了を組み合わせ、
形は以下のようになります。

If 主語 + had + 過去分詞 ~ ,
主語 + would(could, should, might) + 動詞の原形 ~ .


それでは、この形を用いた以下の例文をみてみましょう。

If I had worked harder, I would be successful now.
「もしもっと一生懸命働いていたら、私は今頃成功しているだろう。」

事実は、以下のようになります。

As I didn't work hard, I'm not successful.
「(過去に)一生懸命働かなかったので、(今)成功していない。」

そして、If節の中は過去のこと(働いていなかった)で、
もう片方は現在のこと(成功していない)を表しています。
よって、If節中には仮定法過去完了、もう一方の文には仮定法過去を用います。
 I wish + 仮定法過去
仮定法過去は、以下の例文のように現在の事実の逆や願望を表します。

If I had a car, I could drive you to the station.
「もし私が車を持っていれば、あなたを駅まで車で送って行けるのに。」

この文では「車を持っていないので、あなたを駅まで車で送れない。」という現在の事実の逆を表しているので、
過去形を用います。

このように条件付きで仮定を表す時にはif節を付けますが、
単純に「~ならいいのに」という仮定を表すこともあります。

そのような場合に、「I wish + 仮定法過去」を用います。

以下の現在の事実があります。

I'm sorry (that) I don't have a car.
「残念ながら、私は車を持っていません。」

I'm sorryは、この場合「すみません」ではなく「残念ながら~」や「~を残念に思う」という意味になります。

この事実の逆は、日本語だと以下のようになります。

「(私が、)車を持っていればいいのに。」

これを英語に書き換えると、以下のようになります。

I wish I had a car.

現在の事実の逆なので、I wishの後ろのhaveは過去形になります。
以下のように、「I wish + 仮定法過去」でもbe動詞の過去形はwereを用います。

I wish I were rich. 「(私が、)お金持ちならいいのに。」

以下のように、口語ではwasを用います。

I wish I was rich.

しかし、最近はほとんどの場合でwereが用いられるようです。
この文の事実は以下の通りです。

I'm sorry (that) I'm not rich.
「残念ながら、私はお金持ちではありません。」
 I wish + 仮定法過去完了
仮定法過去完了は、以下の例文のように過去の事実の逆や願望を表します。

If I had had a car, I could have driven you to the station.
「もし私が車を持っていたら、あなたを駅まで車で送って行けたのに。」

「私は車を持っていなかったので、あなたを駅まで車で送って行けなかった。」という過去の事実の逆を表しているので、
過去完了形を用います。

このように条件付で仮定を表す時にはif節を付けますが、
単純に「~だったらよかったのに」という仮定を表すこともあります。


そんな時に、「I wish + 仮定法過去完了」を用います。

以下のような過去の事実があります。

I'm sorry (that) I didn't have a car.
「残念ながら、私は車を持っていませんでした。」

I'm sorryは、この場合「すみません」ではなく「残念ながら~」や「~を残念に思う」という意味になります。
この事実の逆は、日本語だと以下のようになります。

「(私が、)車を持っていたらよかったのに。」

これを英語に書き換えると、以下のようになります。

I wish I had had a car.

過去の事実の逆なので、I wishの後ろのhaveは過去完了形の「had + 過去分詞(had had)」になります。
 仮定法の慣用表現
仮定法の慣用表現で重要なものは、以下の3つです。

1.If it were not for ~ 「もし~がなければ」

If it were not for your help, I couldn't do the work.
「もしあなたの助けがなければ、私はその仕事ができないだろう。」

If it were not for ~ は、But for ~ やWithout ~ と同じ意味です。

よって、上の文は以下のように書き換えることができます。

But for(Without) your help, I couldn't do the work.

2.If it had not been for ~ 「もし~がなかったら」

If it had not been for your help, I couldn't have done the work.
「もしあなたの助けがなかったら、私はその仕事ができなかっただろう。」

If it had not been for ~ は、But for ~ やWithout ~ と同じ意味です。

よって、上の文は以下のように書き換えることができます。

But for(Without) your help, I couldn't have done the work.

3.It's time + 仮定法過去 「~する時(時間)です」

It's time you went to bed. 「(あなたは、)寝る時間です。」

It's timeの後ろの動詞は、必ず過去形になります。

ここで、1と2のところで出てきたBut forとWithoutについてもう少し解説します。

But forとWithoutには現在の仮定(仮定法過去)と過去の仮定(仮定法過去完了)の意味がありますが、
But forとWithoutだけでは見分けがつきません。

よって、この仮定法過去「もし~がなければ」と仮定法過去完了「もし~がなかったら」という2つの意味は、
残りの文章の時制で見分けます。


例えば、以下の文ではI couldn't do the work.の部分が「私はその仕事ができないだろう。」と現在の仮定を表しています。

But for(Without) your help, I couldn't do the work.

よって、But for(Without)の部分も「もしあなたの助けがなければ」と現在のことを仮定していると考えることができ、
以下のように書き換えることができます。

If it were not for your help, I couldn't do the work.

次に、以下の文では I couldn't have done the work.の部分が「私はその仕事ができなかっただろう。」と過去の仮定を表しています。

But for(Without) your help, I couldn't have done the work.

よって、But for(Without)の部分も「もしあなたの助けがなかったら」と過去のことを仮定していると考えることができ、
以下のように書き換えることができます。

If it had not been for your help, I couldn't have done the work.
 as if + 仮定法過去とas if + 仮定法過去完了
as if + 仮定法過去とas if + 仮定法過去完了について解説します。

as if + 仮定法過去で「まるで~であるかのように」という意味を表します。

通常、仮定法過去は現在の事実の逆や願望を表す時に用いますが、
as if + 仮定法過去は使い方が異なるので注意が必要です。

as ifの後ろの時制が主節の時制と同じ時を表す場合に仮定法過去を用います。
実際に、以下の例文をみてみましょう。

He looks as if he were ill. 「彼は、まるで病気であるかのように見える。」

この文では、「~のように見える」と主節(He looks)の時制が現在で
as ifの後ろの時制も「病気である」と現在です。

よって、主節の時制とas ifの後ろの文の時制が共に現在と同じなので、
as if + 仮定法過去(were)が用いられます。


as ifの後ろで仮定法過去を用いるパターンはもう1つあります。
以下の例文をみてみましょう。

He looked as if he were ill. 「彼は、まるで病気であるかのように見えた。」

この文では、「~のように見えた」と主節(He looked)の時制が過去で、
as ifの後ろの時制も「病気だった」と過去です。

よって、主節の時制とas ifの後ろの文の時制が共に過去と同じなので、
as if + 仮定法過去(were)が用いられます。


ここからは、as if + 仮定法過去完了について解説します。

as if + 仮定法過去の意味「まるで~であるかのように」に対し、
as if + 仮定法過去完了は「まるで~であったかのように」という意味を表します。

通常、仮定法過去完了は過去の事実の逆や願望を表す時に用いますが、
as if + 仮定法過去完了は使い方が異なるので注意が必要です。

as ifの後ろの時制が主節の時制より1つ古い時を表す場合に、
as if + 仮定法過去完了を用います。

実際に、以下の例文をみてみましょう。

He looks as if he had been ill.
「彼は、まるで病気であったかのように見える。」

この文では、「~のように見える」と主節(He looks)の時制が現在であるのに対し、
as ifの後ろの時制は「病気だった」と過去です。

よって、as ifの後ろの文の時制(過去)が主節の時制(現在)より1つ古いので、
as if + 仮定法過去完了(had been)が用いられます。


as ifの後ろで仮定法過去完了を用いるパターンはもう1つあります。
以下の例文をみてみましょう。

He looked as if he had been ill.
「彼は、まるで病気だったかのように見えた。」

この文では、「~のように見えた」と主節(He looked)の時制が過去で、
as ifの後ろの時制は「病気だった」とさらに前の過去です。

例えば、昨日まだ顔色が悪く、1週間前まで「病気だった」ように昨日「見えた」というような状況です。

よって、as ifの後ろの文の時制(過去完了)が主節の時制(過去)より1つ古いので、
as if + 仮定法過去完了(had been)が用いられます。

 その他の仮定法(if S shouldとif S were to)
if S shouldとif S were toについて解説します。

まず、If節中でshouldが用いられた以下のような形は、
「万一~ならば、~だろう(できるだろう、すべきだ、かもしれない)」という意味になります。

If + 主語 + should + 動詞の原形 ~ ,
主語 + would(could, should, might) + 動詞の原形 ~ .


助動詞の部分は、would, could, should, mightの原形will can, shall, mayが用いられる場合もあります。
この表現は、現在または未来対する実現性が少ない仮定を表します。

以下の例文をみてみましょう。

If it should rain tomorrow, I would stay here.
「万一明日雨が降ったら、私はここにいるだろう。」

この表現は、現在や未来に「雨が降る可能性が低い」場合に用います。

また、この文は接続詞のIfを省略し、主語とshouldの順を入れかえて以下のように書くこともできます。
意味は変わりません。

Should it rain tomorrow, I would stay here.
「万一明日雨が降ったら、私はここにいるだろう。」

現在や未来における条件を表す場合は、
以下のように現在形や未来形を用います。


If it rains tomorrow, I won't go out.
「もし明日雨が降ったら、私は外出しません。」

この文は雨が降る可能性が低いわけではなく、
明日「雨が降る可能性がある」場合に用いられます。

次に、If節中でwere toが用いられた以下のような形は、
「仮に~ならば、~だろう(できるだろう、かもしれない)」という意味になります。

If + 主語 + were to + 動詞の原形 ~ ,
主語 + would(could, might) + 動詞の原形 ~ .


この表現は、ありそうもないことについての仮定を表す。

If she were to know that, she would get angry.
「仮に彼女がそれを知ったら、彼女は怒るだろう。」

この文は、「彼女がその事実を知ることはまずありえない」が、
知ったら怒るだろうということを表します。
 その他の仮定法(仮定法の注意すべき表現)
仮定法の注意すべき表現について解説します。

以下の3つがあります。これらは、熟語のように覚えてしまいましょう。

1.If only + 仮定法過去(仮定法過去完了) ~ .
 「~しさえすればよい(よかった)のだが」


If only the rain would stop.
「雨が、やみさえすればよいのだが。」

If only he had sent her an e-mail.
「彼は、彼女にメールを送りさえすればよかったのだが。」

2.in your position 「あなたの立場なら」

I would not do it in your position.
「あなたの立場なら、私はそれをしないだろう。」

この文は、以下のif節を用いた仮定法の文と同じ意味です。

I would not do it if I were in your position.

3.To hear O speak[talk] 「Oが話すのを聞いたら」

To hear him speak English, you would take him for an American.
「彼が英語を話すのを聞いたら、あなたは彼がアメリカ人だと思うだろう。」

この文は、以下のif節を用いた仮定法の文と同じ意味です。

If you heard him speak English, you would take him for an American.

特に、2と3はifを使わない仮定法なので注意しましょう。